俳句

万太郎の句

七月十日の菊六落語会 - 原田治ノートで引用されていた、万太郎の俳句。 好 き な 團 扇 い つ か き ま つ て ゐ た り け り 万太郎

小澤實氏の「万太郎の一句」

わが恋よ 寒き灯のすでに行くてにともりたる 『吾が俳諧』所収 ともってしまったら、なかなか消せないというのは、今も昔も変わらない人の心の常、ということでしょうか・・・。

小澤實氏の「万太郎の一句」

寒き雨枝より枝へつたひけり 『もヽちどり』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

たましひの脱けしとはこれ、寒さかな 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

古暦水はくらきを流れけり 『春燈』所収 師走も、もう半ば過ぎ。そろそろ新年を迎える準備をしなくちゃいけないと思いつつ、日々のあれこれにかまけて、な〜んにもしていない。この句を読んで、そんなことを思い出しちゃったのは、万太郎さんに失礼、だよね…

小澤實氏の「万太郎の一句」

しかればや 偽書花屋日記読む火をうづめけり 『春燈』所収 「花屋日記」という芭蕉臨終記が偽書だったということを知って、がっかりした心境を詠んだ句なのだそう。芥川の「枯野抄」の下敷きにもなったもので、万太郎さんは口語訳まで出す位、愛読していたの…

小澤實氏の「万太郎の一句」

一句二句三句四句五句枯野の句 『これやこの』所収 俳句はまったくわからないけれど、なんかいいんじゃないかなぁ?と。 枯野(冬の季語と先日師範代に教えていただきました)の句が次々に浮かんで来る・・・っていう感じなのだそう。確かにどんどん枯野の句…

小澤實氏の「万太郎の一句」

十二月四日ーー妹、上京、おとなしく留守番なり いまは亡き人とふたりや冬籠 『春燈抄』所収 冬ごもりといえば、談春さんのHP掲示板で、ご本人が来年春まで「冬眠に入ります」と書いていらしたのが、おかしかった。「誰がどこで何を書こうと、一切読まない」…

小澤實氏の「万太郎の一句」

東京に出(で)なくていゝ日鷦鷯 『春燈抄』所収 ミソサザイという鳥は、人の来ない緑の豊かな静かな場所じゃないと見ることも声を聞くこともできない鳥なのだそう。 それじゃあ、見たことも、声を聞いたこともないのも仕方ない。 「野鳥おおいた」というHP*…

小澤實氏の「万太郎の一句」

水にまだあをぞらのこるしぐれかな 『春燈』所収

小沢實氏の「万太郎の一句」

しぐるゝや水にしづめし皿小鉢 『吾が俳諧』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

ーーこのごろの横須賀線の混雑、容易なことにては乗れず、今日も家は早く出たのなれど、東京に着きたるは一時すぎなり。とてもこれでは、時間の約束はできず。 度(ど)外(は づ)れの遅参のマスクはづしけり 『流寓抄』所収 このところ、風邪が流行ってい…

いよいよ師走

京都・南座の顔見世興行を前に、「まねき上げ」が行われたというニュース*1。 いよいよ師走なんだなぁと思った。 *1:「スポニチニュース」http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/KFullFlash20041125007.html

小沢實氏の「万太郎の一句」

三の酉つぶるゝ雨となりにけり 『久保田万太郎句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

一葉忌ある年酉にあたりけり 『冬三日月』所収 今日は、一葉忌なんですね。このところ、気になる作家の一人が、樋口一葉。お札になったのはあまり関係なく、書友の皆様の影響かと。ああ、もっと本を読む時間が欲しいです・・・。

小澤實氏の「万太郎の一句」

翁忌やおきなにまなぶ俳諧苦 『春燈』所収 子規にまなび蕪村にまなび桃青忌 俳句の世界で”翁”といえば、芭蕉のことなのだそうです。 芭蕉忌や遠く宗祇に遡る 高浜虚子 翁忌にちなんだ、虚子の俳句を「happy mouseの日記」*1で見つけました。 ちなみに、他に…

小澤實氏の「万太郎の一句」

初七日、亡き妻の姉より申出あり、受諾 ふッつりと切つたる縁や石蕗の花 『ゆきげがは』所収 「ふッつり」という言葉の響きが、好きです。長唄の「娘道成寺」のクドキにも「ふっつり悋気せまいぞと たしなんでみても」という詞があります。余韻があって美し…

小澤實氏の「万太郎の一句」

飲めるだけのめたるころのおでんかな 『これやこの』所収人情のほろびしおでん煮えにけり おいしい屋台のおでん屋さん、どこかにないかなぁ・・・。以前、四谷見附の交差点付近に、おいしいと評判のおでん屋台があったけど、今でもいるのかな?

小澤實氏の「万太郎の一句」

煮大根を煮かへす孤独地獄なれ 『流寓抄以後』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

妻死去 鉄瓶の空ラになりをり日短き 『ゆきがけは』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

十一月十六日、妻死去 来る花も来る花も菊のみぞれつゝ 『ゆきがけは』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

ーー上京、日のくれぐれに帰宅 これやこの冬三日月の鋭(と)きひかり 『流寓抄』所収 冬の夜空にキラリと鋭い姿を見せる、三日月。落ちて来て刺さったら痛いだろうなぁ・・・(笑)

小澤實氏の「万太郎の一句」

ーー海、窓の下に、手にとる如くみゆ。 ふゆしほの音の昨日(きのふ)をわすれよと 『流寓抄』所収 「いつまでも終わったことを引きずっていても仕方ないよ」と万太郎さんに言われているような気がする。でもね。そんなに簡単に終わりにはできないよ・・・

小澤實氏の「万太郎の一句」

十一月四日、鎌倉材木座にうつる。白き柵めぐらせる簡素なる西洋家屋なり 手拭もおろして冬にそなへけり 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

縁は異なものとぞみかん剥きあへる 『流寓抄』所収のこりものに福あるみかん一つかな そろそろ、店頭に並ぶくだもののメインがリンゴやみかんになる時期、かな? 今年の台風ラッシュのおかげで、青森のりんごは大きな打撃を受けたらしい。みかんはどうなんだ…

小沢實氏の「万太郎の一句」

銀 座 あきかぜのふきぬけゆくや人の中

小澤實氏の「万太郎の一句」

日暮里渡邊町に住む、親子三人水入らずにてはじめてもちたる世帯なり 味すぐるなまり豆腐や秋の風 『道芝』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

秋刀魚焼く烟の雨となりにけり 『鵙の贄』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

鯊の汐おのづとあげて来りけり 『これやこの』所収 「鯊」の読みが不安だったので、gooの国語辞典でひいてみた。「ハゼ」で良かった。ちなみに、ハゼは他に「沙魚」「蝦虎魚」とも書くそうで。

小澤實氏の「万太郎の一句」

月の雨ふるだけふると降りにけり 『春燈抄』所収