談志ひとり会秋@国立演芸場

今年も最後のひとり会になってしまった。10月からずっと「今年が最後かもしれない」という発言を繰り返している談志師匠。今日は確かに、高座が続いていらっしゃるせいか、いつもなら「またまた、そんなぁ」と内心突っ込むところなのだが、今日はねぇ、ウーン。でもやっぱりそうおっしゃらず、来年も待っております!

  • 「青龍刀権次」

仲入り

  • 「付き馬」
  • 「二度目の浄書清書」

緞帳が上がると、高座に釈台がある! 同行の談志部長に「釈台がありますけど、まさか、講談をやる、わけないですよねぇ・・・」と言っていたら、このところ腰が足がつるので、釈台を用意した」と。先日NHK BS-2で放送した名人伝のことなどあれこれ話して、ジョークをいくつかやって「今日は、講談をやる」!? 演題は「青龍刀権次」。このネタは、いつかも落語として演ったネタだなぁ。その時は「この先は、忘れちゃった」と言って、爆裂のお玉が登場したところで終わってしまったのだったが、今日はその気になる続きまで聞けるのかしら? 
爆裂お玉が登場、胸元にピストルを突きつけられた権次は、言うことを聞いて、座敷で寝む。そして一夜明けると、またまた・・・。どこまで行っても、この権次という男は・・・(笑)。
仲入り後は、釈台無し、きものと袴を着替えて登場。「付き馬」をやるよ、と。それにしても、このお客、何度聞いても図々しいヤツだ。なまじ、最初に「文無しだよ」と断るだけ、質が悪い。一夜明けてから、大門を出て、やれ朝風呂だ、腹ごしらえだ、と若い衆から金を巻き上げるあたりの、ヘラヘラぶりと、その肚のうちにあるしたたかさ。こういうヤツとは、もちろんお友達にはなりたくないし、ましてや引き回されたくはないやぁねぇ・・・。「この一言が言いたくて、これをやっているようなもんだよ」と、いたずらを見つかってしまった子どものような笑顔が印象的であった。
最後に、オマケで「二度目の浄書清書」を。師走だから、ねぇ。最後は、一旦下ろした緞帳をあげて、今日は悪いことしちゃったから、見送るよ、と。去年の9月のひとり会の時も同じようなことがあったけれど、その時はご機嫌であったからだったのだけれど、今日のは、どうだったんでしょう?
22日のリビング名人会、無理して「芝浜」じゃなくてもいいです。談志師匠が楽しめる高座にしてくださいませ。