『わが落語鑑賞』と『噺のまくら』

落語・歌舞伎本の文庫本棚をながめていたら、安藤鶴夫わが落語鑑賞 (ちくま文庫)』が目についたので、引っ張り出すと「明烏」と「芝浜」が入っているので、その項を読んでみる。速記は「明烏」が文楽師匠、「芝浜」は三木助師匠のものらしい。どちらも、冒頭に安藤さんによるマクラが書かれている。これは、折に触れて読むことにしよう。そして、さらに棚をチェックすると、圓生師匠の『噺のまくら (朝日文庫)』が目についたので、これを持って、近所まで買い物に。用事を済ませて、駅のカフェで早めの晩ご飯を食べながら、読み始める。ああ、これが「圓生百席」の解説書のために書かれた(正確には”語られた”と言うべきか)ものだったとは。なんという偶然。いろんな蘊蓄が出てきて、へぇ〜と、なるほど!の連続。タイトルで、どのネタのためのものか、すぐにわかるものもあるし、わからないものもあるが、今までそれって何?と思っていたモノ(例えば、四神剣)や言葉の意味がわかってきたりする。
そうそう、年末にOAされた「立川談志 日本の笑芸百選」をDVDに落として、ちゃんとできているかどうかを早送りを使いながらチェックしていたら、圓生師匠の写真が出てきたので、その部分を改めて見てみた。すると、談志師匠は「圓生師匠の良さは、生じゃないとわからない」という意味のことをおっしゃっていて、そうなのかなぁ・・・とちょっと弱気になる。でも、CDを聴いて、たとえその芸の一端にでも、触れることができればいいじゃないか、と思い直す。