{三味線]「歌之助上京」@お江戸日本橋亭

出囃子の仕事をいただき、日本橋亭へ。上方の米朝一門の若手真打・桂歌之助師匠の独演会です。ゲストで、柳亭こみちさんと柳家喬太郎師匠も出演。
こみちさんは、前座時代に出囃子を弾かせていただいたことがありますが、二つ目に昇進されてからは、初めて。喬太郎師匠は、顔は時々あわせていますが、出囃子を弾かせていただいたのは、初めてです。
初物尽くしのこの会。なんと、ハメモノ初体験までさせていただきました・・・。
事前に「野崎詣り」を歌之助師匠がなさるので、できたらハメモノを入れてくださいという打診はいただいていたのですが、師匠とも相談して、せっかくの歌之助師の落語に水を差してしまっては申し訳ないので、さらっては行くけれど、基本的に本番はやらない方向で、ということにしていました。
が、昨日、世話人の方からご連絡をいただいて、開場前にあわせたいので、当初の予定より、早めに来てください、とのことでしたので、リハーサルだけはやらなきゃダメか・・・と。
お会いしてご挨拶して、しばらくすると「どうですか? できますか?」とおっしゃるので「一応、さらっては来ましたが、こんな程度にしかできません」と申し上げて、一応、師匠の前でやってみましたが、やはり、唄が・・・。お囃子部屋が暗いので、自分で書いておいた歌詞が読めず、歌詞を忘れてしまいました。すると「唄なしでいいですから、三味線だけ弾いてくださいませんか?」ということに。
こみちさんがやってきて、二人で師匠ときっかけなどの打ち合わせを聞き、実際にやってみることに。太鼓が先に入るので、きっかけについては、こみちさんを頼りにすれば大丈夫だな・・・ということで、一安心。それから、三味線の譜を、大きな文字で書き直して、スタンバイしました。
今回は、上方から単身でいらっしゃったので、太鼓番はメインはこみちさんですが、こみちさんが高座返しをしている間などは、師匠自ら、太鼓を打っていらっしゃいました。上方落語江戸落語だと、二番太鼓や中入りの太鼓も手が違うので、びっくりしました。
なんとか「野崎詣り」も大きな事故にはならず、終了してよかったです・・・。師匠も下りてこられて「バッチリでしたよ」とおっしゃってくださったので、安心しました。
喬太郎師匠は、ご自分の高座から下りると、状況を察してくださったようで、お囃子部屋に来て、歌之助師匠と太鼓を交代。出囃子が終わったところでご挨拶すると、ちょっとびっくりされてました(笑)。「誰かと思ったら・・・」って。
こみちさんも、喬太郎師匠も、面白かったですし、歌之助師匠も、いい感じでお客様が笑っていらして、わたしもずいぶん、お囃子部屋で笑わせていただきました。
打ち上げに向かう道すがら「ハメモノって、あんな感じですわ。そんなに難しくないでしょ?」とおっしゃってましたが、いやいや、どうして。もうちょっとさらう時間が欲しかったです。