猿之助襲名二ヶ月目。今月は夜の部のみ。
「将軍江戸を去る」。中車さんの山岡は、なんか岩崎彌太郎をちょっとだけ思い出したよ。團十郎さんは、ちょっと調子をやっちゃった?風邪気味?という感じでありましたよ。
「口上」。先月とはうってかわって、シンプルに市川宗家と襲名するご本人のみの並び(猿翁さん除く)。團十郎さんは、パリ公演のフランス語での口上のことをお話されて、客席から笑いが。海老蔵さんが團子くんの先月の口上のことに触れていたためか、今月はちょっと彼の口上の内容がかわって、かわりに、最後が口上口調になっていた。中車さんも先月に比べたら、だいぶ、馴染んできた感じはあったけど、やはり、お子さまの順応力はそれを上回っているね。
「黒塚」。もしや?と思いつつ、大阪では又五郎さんの襲名が開いているので、ご兄弟そろい踏みとは思わなかった出囃子だったけど、なんと、そろい踏みだったよ。どうりで、コダマの下手の鼓が良く鳴ってたわけだ(笑)。長唄は、祐介さんが立て三味線で、これまたステキな三味線だった。猿弥さんの強力がこれまたステキ。正直、猿之助さんチームの中では、猿弥さんが一番好きだなぁ。
すすきの原にポッカリと浮かぶ三日月の下で踊る前シテ、演奏のステキさもあいまって、見入ってしまったよ。やはり、猿之助(まだ亀ちゃんと言ってしまいそうになるけど)さんの踊り、好きだなぁと。後シテの隈取は、贈り幕の福山雅治さんデザインをちょっと思わせる感じ。幕切は、阿闍梨祐慶が留拍子を踏んで幕、なのだけれど、お能と違って、なんかちょっと物足りなく思ってしまった…^^;
最後は、猿翁さんが久吉で登場の「楼門」。遠見の楼門の吊り幕が最初にあって、ちょっとびっくり。そして四天が彌十郎さんをはじめとした豪華版!。皆さんが幕の後ろに入ると、それを飛ばして、浅黄幕になり、いつもの「楼門」の段取。海老蔵さんの五右衛門がなんかイマイチピリッとしないなぁと思ってしまったのは、着付のせいか? 幕が閉まってから、追出じゃなくてお囃子でつないでいたので、あれ?と思ったらカーテンコールだったよ。最初、猿之助さんチームのみなさんだけが整列してたけど、後から海老蔵さんが呼び込まれて、握手をしたりして、なんかオペラみたいだった。