『鶴川日記』から芋づるが始まる予感

ほぼ隔月で、知人がお席亭の落語会の手伝いで、鶴川へ行き始めて1年半。
なぜ、もっと早く気づかなかったかなぁと、我ながらあきれるのだが、鶴川といえば、白洲正子なのであった。
前回、鶴川へ行ったとき、集合時間まで少し時間があったので、駅前の書店に行ってみたら、白洲正子(というか、白洲家の)コーナーがあって、へぇ〜なんでだろう?と思いつつ、身近な書店ではあまり見かけないPHP文芸文庫の

鶴川日記 (PHP文芸文庫)

鶴川日記 (PHP文芸文庫)

縁あって (PHP文芸文庫)

縁あって (PHP文芸文庫)

を購入した。で、やっと「あ、そうか、武相荘の最寄り駅が鶴川か!」と気づいたのだった。それで、次回鶴川に来るときは、まずは『鶴川日記』をお供本にしようと思った。
今回うっかり忘れることもなく、無事に『鶴川日記』をかばんに入れて、小田急線に乗った。
そういえば、数年前、NHKのドラマ
NHKドラマスペシャル 白洲次郎 DVD-BOX

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で見た武相荘周辺は、完全に田園風景だったけれど、現在の鶴川駅前(とくに、新宿に向かって左側)にはショッピングモールができているし、周辺にも飲食店などが入った雑居ビルがいくつも建っている、今どきの郊外の住宅地最寄りの駅前風景だ。が、駅周辺から少し外れると、まだまだ畑がたくさんあるし、小田急線の線路沿いには大規模なマンションなどもあまり建っていない、のどかな風景が残っている。駅舎も昭和のままだ。その割に、乗降客が多いということは、駅から少し離れた場所に住宅街があるのだろうか。
白洲さんが書いている、昔からこの土地に住んでいる家の人たちって、今はどうしているのかな? なにしろ、白洲家が引っ越したころは、地元の隣組の人たちが藁の屋根葺きや、家の造作を直すのをやってくれたのだという。さすがにもう、藁葺き屋根のお宅はないだろうな。
戦時中に梅若さんの面や装束を預かったり、梅原龍三郎安井曾太郎が遊びに来たり、といったエピソードを読んでいると、ちょっと、武智鉄二と似ているなぁ、とふと思った。
鶴川での暮らしについての章に続いては、「東京の坂道」という章だ。こちらには、他でも読んだことがある、坂の由来もいろいろ出てくるのだが、これまでには読んだことがなかったような、ちょっと違う視点での描写があったり、白洲さんが考えたことがでてきて、面白い。
福田和也さんが、旅行に行くときは、必ず行く先にちなんだ本を持って行って、移動中に読むのが楽しいと書いていらしたが、旅行じゃなくても、行く先にちなんだ本を持ってでかける、というのもまた、積ん読本から読む本を選ぶいいきっかけになる。そして、そこからまた芋づる読書(および購書^^;)が始まる。
ちなみに、今回の芋づるは
江戸の坂 東京の坂 (全) (ちくま学芸文庫)

江戸の坂 東京の坂 (全) (ちくま学芸文庫)

私の梅原龍三郎 (文春文庫)

私の梅原龍三郎 (文春文庫)

白洲正子自伝 (新潮文庫)

白洲正子自伝 (新潮文庫)

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)

あたりだろうか…