ドキュメンタリーを2本見た

朝、昨夜読んでいた『文庫本福袋』の続き、読了。中野翠の「ぴったりの靴」という解説が割りの一文が、まさにぴったりの一文だ。「文庫本を狙え!」がもう新しいものが読めないのは、やはりさびしい。でも、何度でも繰り返して読んでいると、きっと天から坪内さんの「今週はこの一冊」という声が聞こえてくるようになるんじゃないかな?と期待もしている。

Workflowyでフリーライティングをして、Scrapboxに昨日のデイリーページを作成し、抜書きとメモの整理をする。

昼ごはんを食べて、マイブックに昨日の日誌を書き、『紙つぶて』の続きを、メモを取りつつ読む。尾崎士郎が若い頃に社会主義運動に参加していた、というのは意外だ。早いうちに活動から抜けたため、プロレタリア文士の側からは、黙殺されていたらしい。

『シブい本』の続きを読む。常盤新平『東京の小さな喫茶店』を「まるで常盤新平訳のアーウィン・ショーみたいだ」という締め、ヤン・コット『私の物語』で亡命ユダヤ人の”流転の人生”を描いた自叙伝を同じ著者の「ハムレット論」から語り始め、高村光雲『幕末維新懐古談』から、大正末から昭和初めの明治ブームの理由を解明し、南伸坊『顔』では、小林秀雄を一文字も読んだことがなくても「本物だと判断した」という一文を引いて南伸坊は天才だと論じ、ビートたけし『たけしの死ぬための生き方』で見せるウォッチャー・ツボちゃんぶり、…。改めて坪内さんの好奇心の幅広さ、知識の深さに圧倒される。しかも、それぞれの本にふさわしい文体とリズム感で書いているのだから…。

夜ごはんの支度をしながら、ニュースチェック。今日の東京での感染判明者は5人。1週間で70人の新規感染者=1日平均10人というラインを出たり引っ込んだりだ。東京を中心とする一都三県は、5月いっぱいは緊急事態宣言解除にはならないのだろう。解除になったからといって、夏場に本当にウィルスの活動が弱まるのか、ウィルスの変異は起きていないのか、PCR検査の体制は整うのか、課題はたくさんある。

録画してあった「アナザーストーリー」パク・クネ元韓国大統領の不正を暴いたメディアのドキュメントを見る。韓国の歴代大統領が次々に様々な罪を犯して失脚しているのは何故なんだろう? それがわかっていて、また罪を犯すのは何故? 尻尾を捕まれやすいのか? 大統領の罷免を求めたデモの規模の大きさは国民性か? 罷免が決まるまで、半年にもわたり毎週土曜日にデモが行われたが、警察の武力介入による怪我人は全く出なかったのは初めてだそうだ。警察官もパク・クネに対して怒っていたのかも? 日本人も、もっと政治や行政に注意を向けなくてはいけないし、おかしいことに対しては声を上げていかなくてはダメなんだということを今回の検察庁法改正問題でわかった。もりかけ、桜、河井夫妻、などなどうやむやのまま終わりにしてはダメな問題がまだまだあるのだから。

スッキリしないので、録画しておいたヴァイオリニスト・イツァーク・パールマンのドキュメントを見る。パールマンといえば、高校生の頃、メンデルスゾーンのコンチェルトを聴きに行って、知り合いの伝手で楽屋でプログラムにサインをもらったな…。パールマンの音はやっぱり好きだ。久しぶりにバッハの無伴奏パルティータが、聴きたくなった。