一日、一半七 ふたたび?

田村隆一さんの『半七捕物帳を歩く』を読んだら、やはり御本家の方も読みたくなり、一日一半七をまた始めようかと。
とはいえ、すぐに発掘できたのは、やはり『読んで、「半七」!』だったので、これを読み直しているうちに、我が家の「半七」発掘作業を進めようと思う。
今日は「お文の魂」。怪談めいた話だ。「半七捕物帳」をいくつかの傾向に分けるとすれば、怪談的な話というのは、結構、多い。岡本綺堂が怪異譚もいろいろと書いているので、これは頷ける。半七親分が活躍した頃は、今よりももっと、狐狸妖怪の類いの存在を、人々が素直に受け入れやすかったのだろうな。それだけに、狐狸妖怪の類いの仕業に見せかけて、悪いことを企む者も多かったようだ。
「お文の魂」では、Kおじさんの話を聞いて半七が気づいた「延命院もどき」の悪党と、草草紙が、事件を未然に防ぐ。
これが、記念すべき「半七捕物帳」第一回。半七の人柄のよさと手腕の冴えを見せる、いわばお目見得狂言。半七の清廉潔白さが印象づけられていて、いいなぁ。


6時過ぎに起床。今日も暑くなりそうだ。洗濯して、朝食を食べて、国立劇場へ向かう。
文楽一部。
豪華配役の「寿式三番叟」。そういえば、住大夫さんが盆で廻って出て来ないのって、初めて拝見したかも…。能舞台を写した道具に、揚幕から千歳が面箱を持って登場。
正直、翁はお能の有り難みには叶わないな…と。三番叟は面白かったけど(ヲイヲイ)。「先代萩」切の嶋大夫さんが面白かった。が。もうちょっとトントンと行ってくれた方がいいかな?というところも。奥は、寛治さんの三味線を堪能。
ここで時間切れ。「堀川」は今回は拝見できず。
Google先生の指示に従って、地下鉄→JRを乗り継いで、逗子へ。鎌倉より先に電車で来たのは初めて。逗子は、こぢんまりとした、飾らない感じの街のようだ。Google先生の道案内で、無事到着!と思ったら、ホールの入り口がわからなくて、献血の受付?のお嬢さんに教えてもらった。スピーカーから萬先生の声が。木戸で「もうすぐ休憩に入りますが」と言われたので、そのままロビーで待機する。
一ベルが入ったので、席へ。お社中のみなさまで固められた一角。なんかお舞台が小さく見えるなぁ。お調べが始まると、安藤さんと淳夫さんが蠟燭に灯を入れに登場された。あ、蠟燭能なのか…(ヲイヲイ)。客電がもうちょっと落ちた方が、蠟燭能の風情が出たのか? ツレとシテの同吟が結構長かった。こんなに一緒に謡うんだっけ???
前シテのクライマックスで、装束のあわせを解いて橋懸で頭から被って、幕へ。こわーーー。
ワキツレが「横川の小聖を呼んで来なさい」とアドに命ずると、あーらびっくり閑先生だ!(ヲイヲイ)ワーイ!!
後シテは長〜い髪を鉄杖に巻き付けて、執心を表す。これがまた怖かった。般若の面と緋の長袴とあいまって、こわいと同時に、深い哀しみも…。
いやー、面白かった。
終演後は、懇親会。あーらびっくりの方とご対面もあったり。先輩に舞囃子のことなど教えていただいたり、先生から裏話を伺ったり、の2時間あまり。
忙しかったが、有意義な一日であった。が、くたびれたため、鼓はさらえず(汗)。
今日の移動のお供は

和菓子の京都 (岩波新書)

和菓子の京都 (岩波新書)

川端道喜のご主人の語り下ろし、とのこと。奥付の著者略歴を見ると、この本が出版された直後に亡くなったんだ…。粽の話、花びら(正式には漢字一文字らしい)餅のことをメインに、宮中祭祀で使われた餅菓子のこと、明治維新で茶道のお菓子作りに転向したこと、など。