2002-09-01から1ヶ月間の記事一覧

古本屋が主人公ならではの『ドールズ』(2)

浮世絵モノですでにその片鱗をあらわしていた、高橋さんの博識と綿密な調査力が、見事にこの作品にも活かされていて、ともすれば、単なるおどろおどろしい話で終わってしまいそうな「生まれ変わり」の物語に、リアルさを加えている。特に、主人公の風俗関係…

古本屋が主人公ならではの『ドールズ』(1)

最近、中公文庫に入っていた本が、角川文庫に入るケースがいくつか目に付いた。たとえば、北村薫さんの『冬のオペラ』や高橋克彦さんの『ドールズ』などだ。こんなドル箱作家の作品を手放してしまうというのは、裏に何か事情があるのだろうか? ちょっと不思…

女性にこそ”荒ぶる魂”がある

Kー1が始まった頃、格闘技大好きの友人に勧められて、何度かテレビで見たことはあった。確かに、異種格闘技の迫力ある対戦は、あまり格闘技に興味のなかったわたしのような者にも、面白かった。ボクシングは、子供の頃、父が世界タイトルマッチをテレビで見…

女性にこそ”荒ぶる魂”がある

Kー1が始まった頃、格闘技大好きの友人に勧められて、何度かテレビで見たことはあった。確かに、異種格闘技の迫力ある対戦は、あまり格闘技に興味のなかったわたしのような者にも、面白かった。ボクシングは、子供の頃、父が世界タイトルマッチをテレビで見…

古本屋が主人公ならではの『ドールズ』(1)

最近、中公文庫に入っていた本が、角川文庫に入るケースがいくつか目に付いた。たとえば、北村薫さんの『冬のオペラ』や高橋克彦さんの『ドールズ』などだ。こんなドル箱作家の作品を手放してしまうというのは、裏に何か事情があるのだろうか? ちょっと不思…

古本屋が主人公ならではの『ドールズ』(2)

浮世絵モノですでにその片鱗をあらわしていた、高橋さんの博識と綿密な調査力が、見事にこの作品にも活かされていて、ともすれば、単なるおどろおどろしい話で終わってしまいそうな「生まれ変わり」の物語に、リアルさを加えている。特に、主人公の風俗関係…

地下鉄の車内観察も面白い

昨日、地下鉄千代田線の最後尾の車両の一番後ろのドア付近に立っていて見かけた光景は、ちょっと面白かった。もうすぐ表参道駅というあたりで、ふと読んでいた本から眼を上げると、まだ二十代前半くらいの車掌さんが、後ろ向きで飛び跳ねながら手を振ってい…

地下鉄の車内観察も面白い

昨日、地下鉄千代田線の最後尾の車両の一番後ろのドア付近に立っていて見かけた光景は、ちょっと面白かった。もうすぐ表参道駅というあたりで、ふと読んでいた本から眼を上げると、まだ二十代前半くらいの車掌さんが、後ろ向きで飛び跳ねながら手を振ってい…

中井英夫さんの日記が面白そう

先日届いていた「彷書月刊」10月号がそのままだったことを思い出して、朝食の合間に目次を見ると、坪内さんのお名前が!こりゃ大変だと、さっそく読みはじめる。そうこうしている間に、パンが焼けたのでジャムを冷蔵庫から出して、食べながら続きを読む。…

中井英夫さんの日記が面白そう

先日届いていた「彷書月刊」10月号がそのままだったことを思い出して、朝食の合間に目次を見ると、坪内さんのお名前が!こりゃ大変だと、さっそく読みはじめる。そうこうしている間に、パンが焼けたのでジャムを冷蔵庫から出して、食べながら続きを読む。…

頭で響く「どすこい」コール(2)

午後、仕事で出かけるついでに、いつもの書店に寄って、まずは「週刊文春」今週号を立ち読み。「文庫本を狙え!」で、何が取り上げられているかをチェックするため。最近、結構予想が当たるようになっていて、今週号の、村松友視さんの『力道山がいた』(朝…

頭で響く「どすこい」コール(1)

夕べのお相撲さんとお話した件で、他にお相撲さんがらみの本は何かないかしら?と、朝、起き抜けにふと考えた。すると突然京極夏彦さんの『どすこい(仮)』って、お相撲さんの話じゃなかったかしら?と思いつき、福田和也さんの『作家の値うち』で、この作…

頭で響く「どすこい」コール(1)

夕べのお相撲さんとお話した件で、他にお相撲さんがらみの本は何かないかしら?と、朝、起き抜けにふと考えた。すると突然京極夏彦さんの『どすこい(仮)』って、お相撲さんの話じゃなかったかしら?と思いつき、福田和也さんの『作家の値うち』で、この作…

頭で響く「どすこい」コール(2)

午後、仕事で出かけるついでに、いつもの書店に寄って、まずは「週刊文春」今週号を立ち読み。「文庫本を狙え!」で、何が取り上げられているかをチェックするため。最近、結構予想が当たるようになっていて、今週号の、村松友視さんの『力道山がいた』(朝…

阪神よ、いい試合をありがとう

ついに、セ・リーグのペナントレースに決着がついた。巨人の優勝が、甲子園球場で決定したのだ。とはいえ、阪神はここ数カ月の不甲斐なさが嘘のように、粘りの野球を見せてくれ、ついには逆転サヨナラ勝ちで、甲子園に集まった巨人ファン、阪神ファン、そし…

がんばれ木瀬の嶋!

仕事帰りに、ちゃんこ料理のお店に寄ったら、現役のお相撲さんが遊びに来ていた。現在、序二段だという22歳の木瀬の嶋さんと、しばらくお話をした。今は、場所後のお休み期間なので、8時頃に起きるが、普段は5時には起きて2キロ歩き、それから稽古場に…

がんばれ木瀬の嶋!

仕事帰りに、ちゃんこ料理のお店に寄ったら、現役のお相撲さんが遊びに来ていた。現在、序二段だという22歳の木瀬の嶋さんと、しばらくお話をした。今は、場所後のお休み期間なので、8時頃に起きるが、普段は5時には起きて2キロ歩き、それから稽古場に…

阪神よ、いい試合をありがとう

ついに、セ・リーグのペナントレースに決着がついた。巨人の優勝が、甲子園球場で決定したのだ。とはいえ、阪神はここ数カ月の不甲斐なさが嘘のように、粘りの野球を見せてくれ、ついには逆転サヨナラ勝ちで、甲子園に集まった巨人ファン、阪神ファン、そし…

贅沢な短編集(2)

『我らが隣人の犯罪』は、殺人事件が起きるのは「祝・殺人」のみ。それも、直接の登場人物が手を下すのではなく、アームチェアー・ディテクティブよろしく、ほとんど喫茶店で主人公が刑事相手に披露する推理のシーンのみで事件が解決される。それ以外の「我…

贅沢な短編集(1)

隣家の庭のキンモクセイが満開で、風にのっていい香りが殺風景なわたしの部屋にまで秋の気配を運んできてくれる。宮部みゆきさんの『我らが隣人の犯罪』(文春文庫)読了。短編小説は、作家の資質や技量を明らかにするように思う。最近は、アメリカの影響を…

贅沢な短編集(1)

隣家の庭のキンモクセイが満開で、風にのっていい香りが殺風景なわたしの部屋にまで秋の気配を運んできてくれる。宮部みゆきさんの『我らが隣人の犯罪』(文春文庫)読了。短編小説は、作家の資質や技量を明らかにするように思う。最近は、アメリカの影響を…

贅沢な短編集(2)

『我らが隣人の犯罪』は、殺人事件が起きるのは「祝・殺人」のみ。それも、直接の登場人物が手を下すのではなく、アームチェアー・ディテクティブよろしく、ほとんど喫茶店で主人公が刑事相手に披露する推理のシーンのみで事件が解決される。それ以外の「我…

さて、何から読もうかな?

今日は、本棚の整理で一日終わってしまった。読み終えて、とってあった本、いつか読むだろうととってあった積ん読本などを、処分するため段ボールに入れながら、本の並べ替えもした。それで、持っている本が全部棚に収まると思っていたら、並べ方を変えたせ…

さて、何から読もうかな?

今日は、本棚の整理で一日終わってしまった。読み終えて、とってあった本、いつか読むだろうととってあった積ん読本などを、処分するため段ボールに入れながら、本の並べ替えもした。それで、持っている本が全部棚に収まると思っていたら、並べ方を変えたせ…

本の話はつまらない?

仕事が終わってから、仕事関係の人たちと呑みに行った。その帰り道で、わたしに「『海辺のカフカ』早く買って、読んで、貸してよ」とのたまわれていた方が、「もうすぐ上巻読み終わるから、そしたら貸してあげるよ。いやあ、今度もいいよ、村上春樹」と唐突…

雑誌の最終号はおもしろい?!(2)

この号で『is』は終わることが決まっているので、特集のタイトルは「終わり方の研究」。そこで『太陽』、しかも博文館の『太陽』について書くというのは、坪内さんらしいと、一人で納得。『太陽』という雑誌について書かれたいくつかの記事を紹介しながら、…

雑誌の最終号はおもしろい?!(1)

久しぶりに神保町へ。とはいえ、別の用件で山ノ上ホテルへ行く前に寄っただけなので、あまりじっくりと古書店をまわることはできなかった。それでも、東京堂・三省堂といった新刊書店、かんたんむ、三茶書房、文庫川村などをチェック。三茶書房は、これまで…

雑誌の最終号はおもしろい?!(1)

久しぶりに神保町へ。とはいえ、別の用件で山ノ上ホテルへ行く前に寄っただけなので、あまりじっくりと古書店をまわることはできなかった。それでも、東京堂・三省堂といった新刊書店、かんたんむ、三茶書房、文庫川村などをチェック。三茶書房は、これまで…

雑誌の最終号はおもしろい?!(2)

この号で『is』は終わることが決まっているので、特集のタイトルは「終わり方の研究」。そこで『太陽』、しかも博文館の『太陽』について書くというのは、坪内さんらしいと、一人で納得。『太陽』という雑誌について書かれたいくつかの記事を紹介しながら、…

本の話はつまらない?

仕事が終わってから、仕事関係の人たちと呑みに行った。その帰り道で、わたしに「『海辺のカフカ』早く買って、読んで、貸してよ」とのたまわれていた方が、「もうすぐ上巻読み終わるから、そしたら貸してあげるよ。いやあ、今度もいいよ、村上春樹」と唐突…