頭で響く「どすこい」コール(2)

午後、仕事で出かけるついでに、いつもの書店に寄って、まずは「週刊文春」今週号を立ち読み。「文庫本を狙え!」で、何が取り上げられているかをチェックするため。最近、結構予想が当たるようになっていて、今週号の、村松友視さんの『力道山がいた』(朝日文庫)も、そろそろ取り上げられるだろうと思っていたところ。まだ購入していなかったので、店内に入り文庫棚の前の平台に並べられた中から抜き出す。ついでに、そろそろ出ているはずだと思い出し、角川文庫の新刊が並ぶあたりを探すと、さとなおさんの『沖縄やぎ地獄』があったので、こちらも抜く。そして、親書の棚へ。ところが、つい先日まで刺さっていた『どすこい(安)』がない。ここは、場所柄、新刊はとりあえず並ぶのだが、文庫や親書の新陳代謝が激しくて、とくにノベルス系はよほどの売れ筋じゃないと、一度切れるとそれっきりということが多いようだ。
「うーん、やられた」と心の中でつぶやきつつ、レジでお会計をしてもらう。
しかし、頭の中ではあいかわらず「どすこい、どすこい、どすこい、どすこい」と繰り返し鳴り響いている。

こうなるともう、買わないと気分が治まらないので、帰りに銀座へ出て山下書店で購入。とりあえず「どすこい」コールはめでたく聞こえなくなったことは、言うまでもない。