古本屋めぐりの入門書 1

中山信如<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02128396&volno=0000>『古本屋おやじ -観た、読んだ、書いた-』</A>(ちくま文庫)は、古本屋さん自身が書いた本だった。古本入門者のわたしとしては、今度は、古本好きの先輩が書いたものを読もうということで、岡崎武志<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=00008831&volno=0000>『古本屋さんの謎』</A>(同朋舎)を読んでみた。

古本界?の基礎用語や知識、優良古書店の紹介、新進からベテランまでの”謎”の古書店主インタビューなど、入門書としては、非常に役立つ知識満載で、しかも古本を集める楽しさがヒシヒシと伝わってきて、どうやら本格的にはまってしまいそうな感じだ。

例えば。「均一台」での本の買い方を、自らお手本として予算5000円で実際に神保町でやってみたり、入門者には敷居の高い「古書展」の内容を紹介してくれている。
また、「古本的文学散歩」と題して、大雨のなかビショぬれになりながら、木山捷平の『軽石』ツアーや、上林暁の『聖ヨハネ病院にて』文学ツアーを敢行したルポもある。私小説が好きという、岡崎さんが、何十年前の小説の舞台を捜し歩く様子は、とても楽しそうだ。
この2つのツアーは、初出は坪内さんがコラムで触れていた伝説的ミニコミ誌「ARE」に掲載されたものと、巻末の初出一覧で知った。
また、「ARE」に掲載された「月の輪書林」の高橋さん、「古書日月堂」の女性店主佐藤さん、「三茶書房」の岩森翁のインタビューも再録されていて、こちらも読み応えがある。
時代の差こそあれ、三人とも本が好きで、自分が惚れ込んだ本、求められている本を一人でも多くの読者に届けようという姿勢に、変わりはない。