ただいま読書中

まだ、全体の半分くらいまでしか読み終えていないのだが、リチャード・ブース<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02122990&volno=0000>『本の国の王様』</A>(創元社)を読むと、外国の古本屋さんの在り方が、少しずつわかってくる。と同時に、この本の面白さを、本当にわかるために必要な、英国の書物とそのバックグラウンドたる文化についての知識を、自分が持ち合わせていないことを、残念に思う。
なぜなら、ここで”貴重な本”あるいは”もはや値打ちのない本”として名前が挙がっている本やその著者について、わたしはほとんど何の知識も持ち合わせていないからだ。

この本の著者であるリチャード・ブースは、かつては交通と商業の要として栄えたが、近代化に乗り遅れてしまったヘイ・オン・ワイという田舎町を「古本の町」に変えてしまった男だ。
彼が、この町に巨大な古書店を開いたとき、周囲の誰もが店はつぶれるだろうと思っていた。なぜなら「この町に本を読むやつなんて、一人もいない」というような町だったからだ。しかし、ブースはイングランドアイルランドスコットランドをはじめ、アメリカやオーストラリアなどを精力的に回って、古書を買いあさる。最初に購入した”お城”では本が収まりきらず、2つ目、3つ目と、町のさまざまな建築物を買収して、古書を並べていく。

大もうけもするが、失敗もする。そのおかげで、店の経営は危機に陥る。しかし、それでもブースは本を買うことをやめるどころか、ますます積極的に買い付けを行う。しかも、ヘイ・オン・ワイの独立宣言までしてしまう。そのおかげで、「古本の町」として一躍注目を浴び、世界各国からの取材も訪れるようになる。
その中には、あの”兼高かおる”の名前もあって、二度びっくりしてしまう。

ブースの店を手伝うのは、いわゆる「インテリ」ばかりではないようだ。トラックの運転手だったり、得体の知れない外国人だったり、時には性転換した、妖艶な美人だったりもする。

次々に登場する、周囲の人々とブースの行く末はどうなるのか?
独立宣言後、ヘイ・オン・ワイはどうなるのか?
興味は尽きない。