奇しくも”いもづる”読書

坂崎重盛<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02144803&volno=0000>『東京本遊覧記』</A>(晶文社)読了。

予想どおり、”積ん読本”候補は、またまた増えてしまったけれど、気長に「欲しい」と思って待っていれば、いつかはご縁ができるようなので、焦らずに、ボチボチと揃えていければと、思う。

続いて、嵐山光三郎<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02043125&volno=0000>『日本詣で』</A>(集英社)を読み始める。
先日、テレビ番組で紹介されていた嵐山さんが提唱するところの”いい町十の条件”の出典はわからなかった。しかし、雑誌連載されていたものの中で、嵐山さんが挙げおられたというところまでは、わかった。
そこで、書店の店頭で、嵐山さんの本を眺め、ページをめくってみて、どうもこの本が、一番それっぽいので、購入した。

小説すばる」の編集者だった山田裕樹氏から、全国県めぐりの連載を依頼されて、始まったもの。一都一道二府四十三県をめぐって、計47回を「一県一話大系」というタイトルで書き終えたところ、好評で東京23区も続けたので、6年余り70回の連載となったものを、まとめたものだと、「人はなぜ旅に出るのか」という前書きで触れられている。

そして、嵐山さんは「私が死んだときは棺のなかにこの本を入れていただきたい。/『あるほどの本投げ入れよ棺の中』」という自分を追悼するための句まで書いている。

さらに、これが偶然にも”いもづる”読書になっていた。
当初、嵐山さんはこの連載を単行本にまとめた際、タイトルを、死の二日前まで『病床六尺』を書き続けた正岡子規にあやかって、『日本六尺』にしようとも考えたそうだ。しかし「畏友坂崎重盛に、『まだそんな題をつけるのは早い』とたしなめられ、『日本詣で』というタイトルを提示してくれた」とあるではないか・・・。

坂崎さんは『東京本遊覧記』のなかで、いもづる読書の楽しみを、語っておられたが、わたしの場合、それと知らずに”いもづる読書”になっていたというわけだ。
まだ、”いい町十の条件”とはめぐりあえていないが、いろいろと、興味深いエピソードが出てきて、楽しい読書を継続中なのである。