いもづる読書は、やっぱり楽しい

「いもづる読書は、楽しい」と言ったのは、<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02144803&volno=0000>『東京本遊覧記』</A>(晶文社)の著者・坂崎重盛さんだ。その坂崎さんと嵐山光三郎さんの交友関係を知らずに、まったく別の興味から嵐山さんの<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02043125&volno=0000>『日本詣で』</A>(集英社)を読み始めたことは、昨日の日記に書いた通り。

そもそも、坪内祐三という師匠を勝手に読書の師と仰いだところから始まった、わたしの最近の読書傾向は、それ自体がまさに”いもづる読書”だ。
坪内師匠が、その著作のなかで取り上げた本を集め、少しずつ読み、そこから広がった好奇心の赴く方へと、新たな本を探し、読む。
さらに、そこで興味を惹かれた本を探し、渡り歩く。

『日本詣で』の中で嵐山さんは、幼少の頃から現在に至るまで自分が体験してきたこと、出会った人について、各都道府県1つずつと東京23区からも1つずつ、エピソードを紹介していく。
1つの項目について、4ページ。時には自筆の挿し絵もついていて、これがステキなオマケだ。
実際に読者が行ったことのない場所であっても、嵐山さんの文章を読んでいると、その土地の風景やそこで暮らす人々のことが、かなり鮮明にイメージできるのは、嵐山さんご本人のお人柄とその表現の巧みさによるものなのだと思う。

特に、これまでわたしがほとんど興味を持っていなかった、俳句や短歌、深沢七郎、古典文学などは、この本を読んでいると、とても面白そうだ。

残念ながら、「いい町十の条件」をこの本の中に発見することはできなかった。
だが、どうやら、これまで敬遠していた世界への扉を、この本によって開いてもらったようだ。

やはり”いもづる読書”は、楽しい。