9.11の悲劇を繰り返さないために(1)

あれから1年経ってしまった。
マスコミはこぞって、「9.11一周年」の特集を組んでいる。
日本テレビでは、よる9時からスクープ映像を放送する特番を放送していたし、その他のテレビ局も、こぞって特番を組んでいる。
日本テレビの番組は、9時半すぎに帰宅して、夕食の支度をしながら見ていたのだが、内容が9.11に近付くにつれて、どんどん恐怖感が増してきて、画面を見ることができなくなってしまった。

去年の今日、午後9時半ごろ帰宅したわたしは、いつもの習慣でとりあえずテレビをつけた。
ザッピングしながら日本テレビ火曜サスペンス劇場をしばし見るともなく見ていた。すると、ニュース速報を告げる効果音が鳴った。
なんだろうと思い、画面に注目すると、NYで航空機事故か?といったような内容だった。あわてて、NHK総合にチャンネルを合わせると、第一報が伝えられているところだ。しばらくNHKのニュースを見た後、これまた習慣で、民放各局がどうなっているのか、ふたたびザッピングをはじめた。
テレビ朝日は、そろそろ「ニュースステーション」が始まる頃だったので、チャンネルを合わせると、まさに第一報を伝えている。そしてリモコンの数字を次々に押していくが、まだニュースに切り替える準備ができていないのか、通常番組を放送している。

ふたたびNHKにチャンネルを戻すと、航空機がWTCビルに突っ込んで行く映像が映し出された。
てっきり、VTRだと思っていたら、2機目の突入のシーンだったことが、NYでしゃべっている支局員とスタジオのキャスターのあわてぶり、ツインタワー双方から煙が上がっていることから、わかった。
多くの人が感じたのと同じように、「これは事故ではない」と感じた。
その後、民放もバラつきはあるものの、続々とニュースに切り替わって行く。
ワシントンの国防総省ビルへの航空機突入や、他にも行方不明の航空機があることなどが、徐々に明らかになっていく。
そして、今回の事件はアフガニスタンに潜伏しているテロリスト、オサマ・ビンラディンが起こしたテロに違いないという論調で、報道は一色に染まって行く。
「たしかに、そうなのかもしれない。しかし、なんの証拠も、声明も出ていないのに、そんな風に決めつけてしまっていいのだろうか?」というのが、その時に感じた素朴な疑問だ。