生誕百年ならではの掘り出し物

今日も朝からいい天気。

仕事がなかなか片付かず、10時半過ぎくらいに、いつもの本屋に寄って帰宅。
このところ、横溝正史生誕百年ということもあり、横溝正史関連の本をよく見かけるのだが、徳間文庫からは『蜘蛛の巣屋敷 お役者文七捕物暦』と『比丘尼御殿 お役者文七捕物暦』の2冊が出た。
まだ他にも、このシリーズの作品があるらしいので、それも出版されることを期待したい。

横溝正史の捕物帳といえば、「人形佐七」シリーズしか知らなかった。こちらのシリーズは、一時期、テレビドラマ化もされていて、かすかにこのシリーズを見た記憶があるのだが、どんな役者さんが出演していたかとか、どんなストーリーだったかというのが、もう一つ定かではない(もしかしたら、杉良太郎さん主演だったような気が・・・)、

このところ、中公文庫からも、時代劇ヒーローのシリーズが出ているし、ちょっとした時代物ブームのようだ。それも、新作ではなく旧作、しかも名作といわれながら、入手しにくかった作品が、新たに文庫として出版されるのは、ありがたい。

「お役者文七」シリーズは、「人形佐七」シリーズとは違って、長編連作ものだそうだ。その第一作が、『蜘蛛の巣屋敷』で、土蜘蛛という伝奇的趣向に、大岡政談、そして歌舞伎役者の色男が大活躍と、ぜいたくな布陣が敷かれているようだ。
あの、横溝正史ブームの折にも、どこの文庫にも入らなかったというこのシリーズ、まさに生誕百年ならではの、掘り出し物だろう。引き続きこのシリーズ全作が刊行されることを願う。