やっぱり”いつもの本屋”は素敵だ

仕事帰りに、いつもの本屋をのぞくと、待望の田村治芳さんの『彷書月刊編集長』(晶文社)が、人文書の平台に並んでいた。さっそく手に取って他の棚をチェック。さてレジへ行って支払いをしようと、鞄の中を見ると、財布がない! あ、職場のあそこに忘れて来た! と思いつき、「すみません、職場に財布を忘れて来たので、取ってきます。すぐ戻りますので」と云って、職場に取って返す。
「ああ、やっぱりここにあった」と、思った通りのところにあったので、ホっとする。本屋に戻って、支払いを済ませて、地下鉄へ。

先日、韓国料理をご一緒した友人のKさんは、「あそこは、本の数が少ないでしょ」と、あまりお気に召さないようだ。わたしにとっては、この規模で、晶文社のこの手のシブい本を、キッチリ平台に置いてくれるところが、いいのです。Kさん。
坪内さんの『後ろ向きで前へ進む』もきっちり、新刊棚に面出しで並べてくれた。未だに、坪内さんの本は、常に3種類は在庫されていて、”本の本”的コーナーに並んでいる。

小説読みのKさんにとっては、たしかに単行本も文庫本も、棚に並ぶ数が圧倒的に少ないので、ご不満を感じておられるのは、もっともだと思う。わたしも実際、発売から微妙に時間がたった文庫本などは「ああ、やっぱり○○○はないな」と思ったことは、何度もある。それでも、この本屋を”行きつけNo.1”にするのは、店長さんの目配りが自分の好みに合うからなのだ。
これからも、シブい本を仕入れてくださいね。