京極週間継続決定!

雨こそ降らないものの、曇りで寒い一日だった。午前中、前の公園のケヤキの木などに、大きな烏が何羽も集まっていた。天気と相俟ってなんだかイヤーな気分。
寒さに負けて出かける気分にもなれず、家の中で本をよみながらグズグズと過ごす。

京極夏彦週間継続中。『嗤う伊右衛門』(角川文庫)は一気に残りを読了。
南北の「東海道四谷怪談」では、色敵である伊右衛門が実は生真面目な小心者で、お岩さんは気の強いしっかり者という、アっと驚く設定。
でも、京極さんが描いていく一癖もふた癖もある脇役たちの描写を読んでいくと、非常にリアリティが感じられ、説得力がある。
以前、「週刊ブックレビュー」出演された際に「資料として本を読むことが無い」とおっしゃっておられた。多田克己さん・村上健司さんとの語りおろし『妖怪馬鹿』(新潮OH!文庫)で、それが発揮されている。

先日『大極宮』(角川文庫)を読んで興味を持って、さっそく本屋に走った一冊。
妖怪にはそれほど興味をもっていたわけではないのだが、能、歌舞伎、音曲への興味から派生して、黄表紙や洒落本なども多少かじったことがあったので、どうやらこの妖怪馬鹿の面々が語りあうものの中に、面白そうなことが含まれているのではないかという匂いがしたのだ。
案の定、能や歌舞伎、長唄・清元・常磐津などの題材のルーツは、こういうところにあったのか、という発見があった。

京極堂シリーズはもちろん、それ意外の作品、ひいては妖怪関係の著作も追いかけていきたいと思う。