やっぱり読んでよかった『顔』

晴天。今日で年内の仕事は、終わり。積み残しもあるのだが、キリがないので、いいことにした。
思っていたより早く片付いたので、いつもの本屋に寄る。先日から迷っていた横山秀夫さんの『顔』(徳間書店)をやっぱり購入。
地下鉄の友は、「recoreco」。思い立って、銀座へ。とはいうものの、数寄屋橋の百貨店のぞいてから有楽町の無印良品へ。

数寄屋橋から有楽町に抜ける途中の西武ではもうバーゲンがはじまっている。年々バーゲンが始まる時期が早まっているが、年明け前からこんなに大々的にバーゲンをやっているのは、始めて見る。それだけ、冬物が売れないということなのだろうか?
無印も、年末の有楽町店限定ということで、全品3割引と、あちこちにポップがぶらさがっている。
帰りに銀座駅丸ノ内線ホームの上あたりにある山下書店をのぞくが、やはり大沢さんの『北の狩人』はない。

帰宅して、簡単な夕食を食べてから、買って来たばかりの『顔』を読みはじめる。
『深追い』で登場した、似顔絵婦警が主人公の連作短編。
似顔絵をめぐるトラブルがもとで、失踪してしまった平野瑞穂が、半年の休職を経て警察の仕事に戻って来てから遭遇する事件と、婦人警官の置かれた状況が描かれている。
どんな職場でも、「だから女は使えねぇ!」という言葉は、横行している。面と向かって言われるかどうかの違いだけだ。
女性が社会に出て働いていれば必ず突き当たる壁のようなものだと思う。
かくいうわたしも、そう言われたこともある。
そう言われたくないと、もがけばもがくほど、深みにはまってしまうことも少なくない。
また、職場に女性が複数いれば、中には同じ”働く女”として、「あなたみたいな人がいるから、男性からバカにされるのよ」と言いたくなるような女性に出会うことは少なくない。
その辺りを、この作品を読む世の男性方が理解できるかどうか、ちょっと微妙かもしれない。かえって「やっぱり女は使えねぇ!」と切り捨てられてしまいそうな気もする。
だが、瑞穂の女性上司である七尾係長が、しばしば瑞穂たち後輩に言うように、「組織の男たちが、自分達の都合で女を扱っている」という事実は、厳然とあるのだと、わたしも思う。それをいいことに、甘えている女性もいる。しかしそうではない女性だって、現実にいるのだ。だから、女性の部下を持った男性には、その辺りをきちんと見極めてもらいたいものだと思う。