勘九郎さんのお芝居は楽しい(2)

六代目菊五郎・初代吉右衛門という昭和の名優も、単に父祖から受け継いだ芸を守っただけでなく、いろいろな実験ともいうべき試みにも積極的だったということは、芸談や劇評、伝記などで伝わっている。
型は「良くなるのならどんどん変えていい」と言ったのは、六代目さんだったろうか? そうした精神は勘九郎さんにもしっかりと受け継がれている。
今の勘九郎さんなら、奇抜な試みをしたとしても、たいていのことは許されるだろう。だからこそ、ますますチャレンジ精神を発揮して、歌舞伎の楽しさをどんどん伝えて欲しいと、改めて思った。