掘り出し物と巡り会った一日(1)

今日も暖かないい天気で、外出するにはうってつけ。
池袋の西武美術館へ「蔵の中の幻影城」展を見に出かける。今日が最終日ということもあってか、場内はけっこうな人出。

乱歩の「貼雑年譜」を拡大したパネルと、乱歩の写真・著作などが展示されていた。昭和初期の本の装丁がモダンで、欲しい本がたくさんあったが、実際に古書店などに並んでいたら、相当な値がついているだろうから、とても手が出ないに違いない。
また、乱歩が諏訪に住んでいた横溝正史の家を訪ねた折に、自ら撮影したというフィルムがビデオで上映されていて、興味深く見た。
このフィルムに”小学生の亮くん”として紹介されていたのが、おそらく音楽評論家の横溝亮一氏ではないだろうか?
大人はみんなカンカン帽のような帽子をかぶっていたのが、目を引く。
他に、様々な人と一緒に撮った写真もふんだんに展示されていた。

会場出口前では、リブロが図録以外にも乱歩の著書や、乱歩について書かれた本が即売されていて、小林信彦さんの『回想の江戸川乱歩』(メタローグ)があったので、購入した。ちょうど、今読みかけている『地獄の読書録』や先日読んだ『1960年代日記』(ともにちくま文庫)に、乱歩との交流のことなども触れられていて、わたしにとっては、タイムリーな入手だった。

会場を出たあと、リブロの売り場を歩いてみた。新刊平台には、坪内さんの『雑読系』(晶文社)が積まれていて、奥付を見ると2月10日発行になっている。思わず買おうかとも思ったが、今日は”宿題”である川本三郎さんの『荷風好日』(岩波書店)を読むつもりなのと、明日になればいつもの本屋にも並ぶだろうから、という二つの理由で見送り。

市村羽左衛門さんの追悼特集が載っている「演劇界」のバックナンバーが欲しかったので、芸術書売り場に行こうと2階へ上がる手段を探すが、なかなか満つからない。結局、間違えて3階まで止まらないエレベーターに乗ってしまい、ウロウロとした挙げ句、やっと2階にたどり着く。お目当ての「演劇界」2001年10月号は簡単に見つかり、他に珍しい本はないかと棚をチェックするが、めぼしいものはなかった。