”三月書房”は懐かしい匂いがした

朝からずっと雨。それでも、先週に比べると気温がだいぶ高い気がする。
夜は某MLのオフ会。大方のメンバーは、先月も会っているし、その中の数人は京都でご一緒したのだが、それでも話が弾む。

さて、先日の京都行きでは、期せずして”三月書房”に行き着くことができた。
初日にホテルにチェックインした後、友人との待ち合わせまで時間があったので、老舗のお茶屋さん、一保堂に行ってみようかとぶらぶら歩きはじめる。だいたい見当はついていたのだが、それでもあたりをキョロキョロと見回しながら歩く。ほどなく一保堂は見つけることができて、お茶を購入する。そして店先に出た時にふと前方を見ると、ちょうどそこに”三月書房”という看板が眼に入った。「これって、もしかしてあの”三月書房”?」とあまりの偶然に我ながらびっくり。住所も何も控えて来なかったので、友人に行き方を教わろうと思っていたが、探すまでもなく見つかってしまった。
外見は、ちょっとボロい(失礼)町の本屋さんという感じだが、店内に入ると、シブい系の本が所狭しと棚に挿されている。欲しい本がいろいろと視界に飛び込んでくる。杉本秀太郎さんの著書などは普段なかなか書店で見つけられないので、欲しかったのだが、旅先、しかも初日なのでグっと我慢。それでも、「sumus」のバックナンバーなどを購入。
後で、友人に聞いたところでは、三月書房という本屋さんは、平積みをしないのだという。それというのは、たとえ売れ筋の本であっても1冊しか店頭に置かないということで、売れるたびに棚に本を挿さなければならないので、手間がかかるのだそうだ。そう言われると、確かにいわゆる”平積み”になっている本はなかった。さらに、雑誌も普通の町の書店で扱っているようなものは、ほんの少ししか見当たらない。

友人曰く「あそこは、近くに大型書店があるから、いわゆる”ベストセラー”が欲しいお客さんにはそっちに行ってもらえばいいし、コンビニもあるから普通の週刊誌とか漫画雑誌はそちらに任せられる。だから、ああいう濃い棚が作れるんだよね。小規模の”街の本屋”の理想型かもしれないね」とのこと。
東京から来ていた友人は、以前に比べると品揃えが甘くなったと、残念がっていたが、わたしにとっては、とても懐かしい匂いのする本屋さんに出会えて、とても嬉しかった。できる限り、今のままの雰囲気と品揃えでがんばっていて欲しい本屋さんだ。