未読王さまは積ん読界のプリンスです

一日雨。この雨で桜が散ってしまうのではないかと、ちょっと心配したが、まだまだ大丈夫そう(少なくとも我が家の前の公園にある桜は)。

未読王さまの<a href=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486011020X/qid%3D1051776498/250-6280686-2859416>『未読王購書日記』</a>(本の雑誌)読了。王さまのHPを読んでいても思ったことだが、まあとにかく素晴らしい買いっぷり。ダブリなんぞなんのその。3冊目というのも間々ある。
王さまは、日記に読んだ本の感想は書かないというのが、ポリシーであるようだ。そして「『買った本を全部読むんですか?』などとバカな質問をするんじゃない、そんなわけがないだろう。本は読むために買うんじゃなくて、集めるために買うんだ」と嘯いて見せる。”本は読まない人”というイメージを自ら振りまいている。
しかし「やっぱり、かなりディープな活字中毒者じゃない!」と思える記述があちこちに見られる。

まず、出張に出る時に、本を鞄に入れているのに、なお、駅のKIOSKとか本屋で雑誌や新刊本を買い込んでいらっしゃるところ。しかも帰りじゃなくて行きにだ。これは、活字中毒患者特有の症状だ。「移動中に読もうと持って来た本が、ぜんぶつまらなくて、読むものがなくなったらどうしよう?」「もし、持って来た本を読み終えてしまったらどうしよう?」これは、活中患者にとっては、重大な恐怖なのだ。
次に、王さまが購入した本について述べる蘊蓄。「やっぱり、いろんな本を読んでなきゃこんなこと書けないでしょう」という記述が、けっこうあちこちに見られる。ちょこちょこ、読んでいる本についてのコメントもある。ただ、あまりに膨大な買った本についての蘊蓄に埋もれてしまって、目立たないのだ。

王さまの日記を読み終えて。王さまはかなり重度の活字中毒患者なのだが、本を買うスピードがその読むスピードを大きく上回っているため、”未読王”となっておられるのだろう。王さまは、わたしのような積ん読界の小者のために、読むために買うことだけが本を買う王道ではないぞ、ということを教えてくださっているように思えてならない。

それにしても、本を買った話だけで、これだけ面白いことが書ける未読王さまは、積ん読界のプリンスです。