昔の中公文庫が欲しい!(1)

仕事がなかなか片付かず、帰宅の途についたのは、9時すぎ。いつもの本屋から久しぶりの東京ランダムウォークにまわり、夕食の買い物を済ませ、家に帰ったのが10時過ぎ。
郵便受けを開くと、茶封筒が・・・。「え、もう? まさかねえ・・・」と思いながら取り出してみると、昨日、ネットでお願いした<b>「sumus」別冊「まるごと一冊中公文庫」</b>が届いていた。

そそくさと夕食を済ませ、さっそく封を切ると、あいかわらずのシブい表紙が顔を出す。
目次の下の注を見ると、表紙の写真は、林さんの奥様のデジカメで撮影したものらしい。岡崎武志さんと山本善行さんの対談で、本文スタート。のっけから中公文庫のディープな話題に、すっかり引き込まれる。
中公文庫のラインナップに寄与したのが、あの「海」だったということは、この対談で知る。先ほどその「海」の編集者だった村松友視さんの最新刊<b>『ヤスケンの海』</b>(幻冬舎)を、東京ランダムウォークで買って来たという偶然に、驚く。

そして、坂崎重盛さんの「『絵のある中公文庫』50冊プラスαを楽しむ」。坂崎さんは、この企画について聞いた時、内心うーんと唸ったそうだ。その理由を
<b>坪内祐三氏による「小さな社会人大学 中公文庫の100冊」という、やたらとストロングな一文があるからである。</b>
と述べておられる。たしかに、この坪内さんの<b>『シブい本』</b>(文藝春秋)所収の一文は、スゴい。わたしが中公文庫のスゴさを知って、少しずつながらも集めるきっかけとなったのだった。でも、さすがは坂崎さん。ちゃんと違う切り口で、思わず欲しくなってしまう中公文庫のラインナップをしっかりと紹介して下さっている。
例えば、小村雪岱の<b>『日本橋檜物町』</b>。これは、わたしの最近の探求本リストの中でも、かなり上位にランクしているものなのだが、ますます欲しくなる。さらに、<b>『川上澄生全集』全14巻</b>なんていうのまであるのだということを教えていただく。他にも、思わず欲しくなった絵入りの中公文庫がいっぱい。