談春さん三昧の贅沢な週末(2)

日曜日は、立川談春独演会を、昼夜通しで。
昼の部のマクラが昨日の国立演芸場のと同じだったので???と思っていると「すみません。実は昨日の午後から風邪をひきまして、くしゃみがとまらないんです」と言う傍から、くしゃみ連発。
噺家が高座でくしゃみをするのは、恥ずかしいことなんですって。だから、花粉症の方とかでも、不思議と高座に上がるとくしゃみは止まるものなんだって言うんですけどね」と話す傍で、くしゃみを抑えようと努力されているようなのだが、これは止まらないでしょう、と思っていたら「ごめんね、2分待っててね」と言って、袖に引っ込む、という波乱の幕開け。

一席目は「星野屋」。お花のもとへ、星野屋の旦那が突然訪ねてくる。「かみさんに、お前のことがバレちゃったから、しばらく来られないけど、当座のお金だから」と言って30両渡そうとする。びっくりしたお花は「本当は、これっきりにしようということなんでしょう?だったら、一緒に死んでくれと言われたほうがいい」と口走ってしまう。すると、旦那は「そうかい、本当に一緒に死んでくれるのかい? いや、実は、本当はもういやになったから、ひとりで死んでしまおうと思っていたんだ。だったら、今夜迎えに来るから」と言って、お花の返事も聞かずに帰ってしまう。
お花は、年老いた母親を遺しては死ねないと訴えるのだけれども、後の祭り。夜中に旦那が迎えに来て、表に引っ張り出される。永代橋の上で、旦那が先に行くよと言い残して、アっという間に橋から飛び込んでしまう。迷いに迷ったお花だけれど、「やっぱり、おっかさんを残しては行けません。ごめんなさい」などと捨てセリフを遺して家に帰る。それが実は、お花の真実を確かめるための、旦那と仲立ちをした男が仕組んだ芝居だったという噺。

お花は、わたしが聞く限り、最初はそんなに不実には思えないのだが、噺が進んでいくに従って、結構したたかかも?というところも見えてくる。
この後、仲入りまえにもう1席うかがえるかな?と期待したら、雑談タイムに。本日のお題は「立川流のとんでもない弟子」。話半分としても、相当すごいな、この人は。
あとは「談春さんの独演会のお客は、他の会と違うらしい」という話題。これが、結構わたしなんぞは当てはまっていて、周りにそういう人もたくさんいるようにお見受けするので、思わず納得。