行ってよかった「大江戸世話談義」(4)

本日のドキっと発言は、「落語家になって、毎日のようにきものを着てますから、普通の方よりは、見ただけで『これは、いいものだな、あんまりいいものじゃないな』というのは、さすがにすぐにわかりますね」というもの。
やっぱりそうだよね、当たり前だけど。
行く前にいつもの珈琲屋さんに寄ったら、ふだんは話しかけられたりしないんだけど、お客さんがちょうど途切れていたこともあり、マスターから「お茶のお稽古でもしていらっしゃるんですか?」と聞かれてしまって、ついでに「いい、趣味ですね。また着て来てくださいね」なんて、お褒めの言葉をいただいたので、ちょっと気を良くしていたのだけれど、談春さんのこの一言で、ちょっとまた落ち込み気味。

中谷さんのお話は、最近、本を読んで勉強したことの裏付けとして伺った。ひとつ、「へー」と思った話。先日知人の方が、電車に乗ったら、浴衣を着た若いお嬢さんが3人。結構、可愛い感じで着ているじゃないと思ったら、「あなたの”ちゃくづけ”いくらだった?」「わたしは3,000円」とか言っていて、???だったら、最後に「わたしの”ちゃくづけ”は、髪も入れて3,500円」という声が聞こえて来たので、やっと「きつけ」のことだとわかった、という笑えない笑い話。「きもの」のことをじゃあ、彼女たちは「ちゃくもの」とか呼んじゃうんだろうか? 日本語もついに、ここまで来ちゃったのね!というエピソードだった。

初・生・談志師匠のお話は、「文化」と「文明」について、思っていらっしゃることを。
わかりにくいところもあったけれど、大方は「なるほどね」という感じだった。
落語についての話題になった時に、ガマの油売りのやり方を、「これは、文化」「これは、文明」「こういうのは、最近多いけど、ダメ」といいながら、実演されたのは圧巻。もっと聞きたい!と思った。
最近の噺家は「楽太郎も、小朝もダメ」と一刀両断。「わたしの弟子は大丈夫です」と言って、志の輔さんのお名前が出て来たのは、やっぱりね、でした。
途中、態度の悪いお客に、噂に聞く「帰れ!」攻撃も見られた。とにかく、機関銃のように相手に口をはさませない迫力は、談志師匠の話芸の一端を見た気分に。
7日の親子会が、ますます楽しみに。ただ、談志師匠がまたまた到着しない!という事態だけは、避けてほしいな。談春さんの高座を安心して聞きたいから。