東京語は難しい

古今亭駿菊さんのお名前を呼ぶときに、しゅんぎくの”し”にアクセントが来るのが正しいのでは?という話題が出た。確かに、駿菊さんの場合、”し”にアクセントをつけている。談春さんも”だ”にアクセントをつけるのが正しいらしい(ご本人がそう発音されているのを聞いている)。同じ伝で、入船亭扇辰さんは、せんたつの”せ”でしょう?と言われて、ああそうなのかな?と思った。
東京言葉のイントネーションは、難しい。
で、先日から読んでいる、林えり子さんの『東京っ子ことば』(文春文庫)の中で、アクセントのことから、濁音を間違って読んでいる駅名の話題があったのを思い出した。ここで例に挙がっているのは、秋葉原高田馬場

JRの「秋葉原」は、昔の人は「あきはのはら」と澄んで言っていた。
そこへできた駅なのだから、もとのままの地名にすればいいものを、他国者の鉄道役人が平気で「の」を取ってしまった結果、「あきはばら」と濁らざるを得ない地名と相成った。
それを「あきばはら」と言う御仁がいるものだから、東京っ子は情けながっている。
(中略)
駅名ついでに言えば、「高田馬場」の「たかた」は濁らずに発音しなくてはいけない。「たかだのばば」だなんて、中山安兵衛が聞いたら男泣きするだろう。
「ありがた山」P.15-16

高田馬場」を「たかたのばば」と読むのは、昔からなんとなく知っていたけれど、「秋葉原」は、つい最近まで知らなかったので、この件を読んで、再確認した。