師匠か、先生か、さんか

先日、某所での話題。
噺家さんのことを無意識に「◯◯師匠」と呼ぶケースは多い。作家や政治家を「◯◯先生」と呼ぶのも同様。
わたしが、社会人になった時、仕事を仕込んでくれた?師匠は「やたらに作家のことを、先生、先生なんて、安っぽいから呼ぶな。そう呼ばれないと機嫌を損なうような人は、たいしたもんじゃない」と言っていた(出版関係じゃないから、というのは大いにあると思う)。

で、作家さんに会っても、むやみには「先生」とは呼ばないで来てしまったので、噺家さんに対しても、ついさん付けになってしまう。その辺、どうなんだろう?とかねがね思っていたのだけれど、別に「◯◯師匠」と呼ばないとダメということは無いみたいだ。噺家さん同士の間では、いろんな関係性の違いから「◯◯師匠」と呼ぶ場合と「◯◯兄さん」と呼ぶ場合があるそうで、年齢やキャリア(香盤も含めて)がかなり違っても「◯◯兄さん」と呼ぶ場合があり、また、敢えて「◯◯兄さん」と呼ばせてもらいたい人もいらっしゃるのだとか。なるほどねぇ・・・。

で、わたしは素人なわけだし、その場にいらした噺家さんも、別に「◯◯さんでいいんじゃない?」とおっしゃっていたので、基本的には「◯◯さん」で通していいんだなぁと、納得。
ちなみに、三味線の師匠は直接師事しているから「師匠」だし、一部の噺家さんにも「師匠」を使わせていただいているので、悪しからず。といっても、現役の方では談志師匠ぐらいかな? 師匠と呼んでしまうのは・・・。ただし、場面によっては使い分けちゃいますが(笑)。

落語の世界では、噺家さんには「師匠」を使うが色物さんには、どんな大ベテランの方にも「師匠」は使わず、「先生」なんだとか。あまりいい感じは受けないなぁ。同じ芸で身を立てている同士なんだから、「師匠」でいいんじゃない?
ちなみに、わたしが最近、普通に「先生」を使うのは、ドクターぐらいですね。