そんなに甘くはない

CXの深夜番組で、ズブの素人が3週間。芸者修行をして、浅草の料亭で一日芸者としてお座敷に出るという企画をやっていた。確かに、挑戦したお嬢さんは頑張っていたし、彼女に踊りを教えたお姐さん、お座敷での作法を教えたお姐さん、見番のおじさんも一生懸命、彼女を芸者らしく見えるように、仕込んでくれているのは、見ていてわかった。
しかし、その審査員が小朝さん、西山峰子さん(元祇園の芸妓だった人で本も書いている)、ジェームズ三木さんじゃぁ、騙せないだろう(何も知らない審査員に、3人の本物の芸者さんの中に”偽”芸者である挑戦者を混ぜてお座敷に出して、一人ずつ踊りを踊らせ、投扇興をやらせ、接客もさせて、後で誰が偽物かを当てさせるという趣向)。番組上は、ジェームス三木が騙されたことになっていたけれど、あれは演出なんじゃないだろうか?
芸事というのは、そんなに簡単じゃないよ。
浅草の見番や芸者衆が全面協力したのは、それなりのメリットを感じたからなのだろうけれど・・・。ジェームズ三木が、偽物として名前を挙げた芸者さんが気の毒になってしまった。だって、特訓したとはいえ、3週間で身につけた踊りより、仮にも下手だと言われちゃったんだから。
挑戦者がよく頑張ったことは、認めるし、投扇興で小朝さんに大差をつけて勝ったのは大したもんだし、お姐さんたちから教えてもらったことをお客の前で発揮できたのは偉いと思うけれど、後味が悪いと思うのは、わたしだけ?