「松岡正剛の千夜千冊」の長谷川時雨

そんなにマメな読者ではないのだけれど、時々覗いてみると「オオ!」と思うような本が取り上げられているのが「松岡正剛の千夜千冊」*1。今日もふらりと覗いて、バックナンバーを目で追っていたら、長谷川時雨『近代美人伝』の文字が目に付いた。
長谷川時雨は、以前から気になる女性で、1ヶ月ほど前に「ブ」でずっと探していた『旧聞日本橋 (岩波文庫)』を手に入れたところ。例によって例のごとく、積ん読の山の1冊となっているのだけれど(家で調べてみたら、先月「ブ」で買ったのは『日本橋檜物町』でありました(笑)でも、『旧聞日本橋』も我が家のどこかで見た記憶が・・・汗)、「千夜千冊」を読んでみたら、『新編 近代美人伝〈上〉 (岩波文庫)』を読みたくなってきた。
松岡氏によれば、ここに収録されているのは、杉本苑子さんが選んだ18人分のみとのこと。そのラインナップは「女団州」と呼ばれた市川久米八、樋口一葉(時雨は一葉のことを「蕗のにおいと、あの苦み」と表現したのだそうだ)、川上貞奴、女(むすめ)義太夫の豊竹呂昇、山田美妙とわずか3ヶ月だけ結婚していた夭折の作家・田沢稲舟、女義太夫の「堂摺連(どうするれん)」を結ばせた竹本綾之助、大塚楠緒子、芸妓あがりの江木ませ子と一世お鯉、『金色夜叉』のお宮のモデルとしても知られる大橋須磨子、モルガンお雪、筝曲の朱絃舎浜子、「青鞜」に身を投じた岩野抱鳴の妻・岩野清子、筑紫の女王・柳原白蓮、女優・松井須磨子、「新しい女」第1号・平塚雷鳥、才色兼備の歌人・九条武子、芳川鎌子(嫁ぎ先のお抱え運転手と心中事件を起こしたことで話題になった女性とのこと)の18人。時雨が著した『近代美人伝』には100篇以上あるそうなので、おいおいそれらも読んでみたい。
そういえば、岩橋邦枝『評伝 長谷川時雨 (講談社文芸文庫)』は、今はなき文鳥堂書店赤坂店で買ったような記憶が・・・。これまた掘り起こさねば、の1冊なのだった。