『一葉のきもの』

寒さが増して来ると、夜はふとんの中で本を読む、ということになりがち。ところが、これが鬼門であって、かなり面白い本でも、ふとんがぬくぬくと暖まってくるにしたがって、眠気のムシもむくむくと頭をもたげて来る。近藤富枝森まゆみという、一葉と彼女、そしてその時代のきものについて語るのに、うってつけのお二人の手になるこの本ですら、むくむくと頭をもたげて来る眠気のムシには勝てなかった・・・。
で、今朝は休日のゆるゆるとした朝を自堕落に過ごすことにして、残りを一気に読んでみた。明治のきもの事情が、かなりわかり易く解説されている。視覚的にも、一葉さん自身はもちろん、萩の舎の朋輩たちの写真、作品の挿絵、鏑木清方描く!一葉作品、当時の風俗を写した絵や写真といったものがたくさんあって、”昔きもの”の手ほどき編としては、なかなか素晴らしい。
あとは、アンティークのきもの屋さんや展覧会などに通って、実物を見、可能な限り触ってみることで、実感として知ることで、”きもの”への知識を深めるしかない。しかし、明治のきものなんて、滅多に触れるものではないのだけれど・・・。

最後にまとめられた、主な参考文献の中にあった
樋口一葉 (明治の文学)

樋口一葉 (明治の文学)

編者が中野翠さんであったか! これは明治勉強のためにも、入手しておかねば。というか、このシリーズは全巻欲しいなぁと改めて切に思う、今日この頃。

本を忘れた!ので

出がけに、バッグを取り替えたら、持ち歩き本を入れるのをすっかり忘れてしまい、つい出先で目についた本屋さんに飛び込んで、杉本秀太郎半日半夜 杉本秀太郎エッセイ集 (講談社文芸文庫)』を購入。本当は、小林信彦さんの『丘の一族 小林信彦自選作品集 (講談社文芸文庫)』があれば、欲しかったのだが、どうやら売り切れてしまったらしい。残念! でも、杉本秀太郎さんのこの随筆集も、読みたいなぁと思っていたので、良しとする。
で、さっそく出先で読んでみる。ひとつひとつが短いので、細切れ時間に読むのには、ちょうどいい。最初の何編かは、京都の町家ぐらしをされている杉本さんが、そのくらしのことを書いていらっしゃる。折に触れて読んで行こうと思う。

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