まんがにまつわる2冊

もっとも熱心に漫画を読んでいたのは、小・中学生のころだった。
それ以降は、だんだん普通の?本に興味がうつってしまって、ヒットした漫画のタイトルくらいは知っているが、内容はどうも???だった。
たまたま、必要に迫られて去年の秋に読んだのが、本宮ひろ志<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02087485&volno=0000>『天然漫画家』</A>。
サラリーマン金太郎』の作者ということくらいは、さすがに知っていたが、『俺の空』や『男一匹ガキ大将』とイコールであることは、この本を読むまで知らなかった。
読みはじめてしばらくは、漫画家の人というのは”変った人”が多いと思っていた。だが、自分の作品を支えてくれるスタッフや家族、そして彼の作品を何よりも楽しみに待っていてくれている読者への感謝の気持ちがつづられた第一章の結びを読んで、人間としてはとても真っ当な人なのだな、と感じた。

そしてもう1冊が、高見澤潤子<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=01872838&volno=0000>『のらくろひとりぼっち』</A>。こちらはあの<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=01860513&volno=0000>『のらくろ』</A>の作者である田河水泡氏の夫人が、夫妻の歩みを中心につづった「ライフヒストリー」。こちらは、坪内師匠のおススメを読んで、入手した。
まだ、半分ほどしか読んでいないが、著者の兄である小林秀雄の思い出や、田河氏が漫画家になる前にあの「MAVO」の一番熱心な同人であったこと、新作落語の作者をしていたこと、それがきっかけで漫画を描くようになったことなどわたしにとっては「へぇー」と思うような話が散りばめられている。
第二次世界大戦前の人々の暮らしぶりなどが伺えるエピソードもあって、漫画に興味のない人、『のらくろ』を知らない世代にも、得るところは少なくない。あと半分、読むのが楽しみだ。