古本屋めぐりの入門書 2

とくに、よかったのが、「古書日月堂」の佐藤さんのインタビューに登場する中学生のキョウスケくんだ。礼儀正しく、人に対する思いやりがあって、大の本好き。彼は、ある日、藤枝静男の本を買ったのだという。中学生が藤枝静男?!と思うが、普段買っている本よりは値の張る本だったので、佐藤さんも心配になって「高いけど、だいじょうぶ?」と聞いたら「今日は日月堂さんの1周年ですから、記念です」と答えたそうだ。しかも風邪気味の佐藤さんを気遣って、ショウガ湯とユズを持ってきてくれた、というのだから、佐藤さんならずとも「彼が背中のジッパーをはずすと、中学生のぬいぐるみの中からシブイおじさんが出てくる」と信じたくなってしまうではないか。

最近の若者は本を読まなくなったとよく言われるが、先日小耳にはさんだところでは、私立の学校に通う小学生などは、『ハリーポッター』を3巻読破済みで、友達の間で回し読みをしていたりするらしい。
それにしても、日月堂の常連・キョウスケくん、畏るべし!である。
こういうお客がついている日月堂さんには、ぜひ行ってみたいものだ、と思っていたら、先日、友人がやっているカフェで買った古書目録(自分で買った初めての目録)が、なんと日月堂さんのものだった。
「第二十世紀都市のエレメンツ」と題された、横書きA4版の目録に、改めて目を通すことにしよう。