積ん読本の素 その五

どうしても今夜中にやっておかねばならない用事があって、まとまった読書を諦めていた。ところが、その用事を済ませるために必要なモノを、仕事先に置いてきてしまったことに気がついたのが、深夜0時すぎ。
タクシーを使ってまで取りに行くのも業腹なので、残った分は明日の朝一番まで延期することにした。

とはいえまだ眠気はやってこないので、軽く雑誌でも読んでから寝ようと思い、手近にあった新潮社のPR誌「波」3月号を手に取った。
ぱらぱらとめくって、坪内師匠のグレアム・スゥイフト<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02137174&volno=0000>『ウォーターランド』</A>についての書評を読む。最近”当り”を連発している新潮クレスト・ブックスの新刊だ。これが、坪内師匠大絶賛なのだ。
「あー、また積ん読本が増えるな」と思いつつ、もう、購入する気持になっている。

なにせ、「フィッツジェラルドの名作<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=00634154&volno=0000>『偉大なギャツビー』</A>の書き出しのようではないか。」であって、さらに「愛と性と生と死と近代の勃興と近代の終焉を描いた、(ギャツビーよりも)骨太の、歴史小説だった」というのだから。

勢いで「新潮」3月号の、山口昌男川本三郎坪内祐三鼎談「読書の現場学」も読んでしまった。さすがにこのメンバーだと、息もピッタリで、楽しい話、なるほどという話が、どんどん繰り出される。その上、エピソードが紹介された本まで読みたくなってしまって、探書リストは、またまた増えてしまった。