「地味めし」のこころみ

横森理香さんの『横森式シンプル・シック』(文春文庫プラス)、『地味めしダイエット』(知恵の森文庫)を読んで、体質改善になるということで、緩やかに玄米菜食というか、肉・乳製品を摂らない食生活に移行中である。
まだ、白米も、バターも、ベーコンも、牛肉や豚肉もストックがあるので、それらを消費しつつ、新しく買わないという程度ではある。

数年前から、コンビニやデリバリーの揚げ物中心のお弁当や、カップ麺、インスタントラーメン、レトルト食品といったものを、食べたいと思わなくなっていた。外食でも、焼き肉より焼き魚、ラーメンよりうどんや蕎麦だ。
だから、今回「地味めし」を始めることにも、さほどの抵抗はない。

飲み物も、甘い味がついているものは、あまり好きではないので、普段からコーヒー・紅茶に砂糖やミルクは入れないし、炭酸飲料を飲むならミネラルウォーターや緑茶、ほうじ茶などを飲むほうが圧倒的に多いので、これも苦にならない。最近では、スタバのカプチーノやアイスラテも豆乳で、アイスは氷なしにしている。始めて豆乳にチャレンジした時は、シナモンなどのスパイスを入れないと、飲めないかと思ったが、案に相違でけっこうおいしく飲めることがわかった。

添加物が入っていない食材を買おうと意識すると、今までいかに添加物だらけのものを食べていたのかということに気づかされる。スナック菓子はもちろん、加工食品や調味料はもちろん、最近は梅干しですら、そうだ。

旬の食材をつかって、ちょっとひと手間かけるだけで、おいしく食べられて、摂らなくてもいい化学物質を摂らずにすむなら、その手間を惜しむのはやめようと思う程度のことだ。例えば、夕食の味噌汁や煮物に使う出汁も、帰宅したらまず鍋に昆布と水を適当な分量で入れておくことから始める。そして、それらを引き上げずに一緒に食べてしまう。お料理の先生が聞いたら怒られそうだが、それほど繊細な味付けが要求されるようなものは作っていないということ。きちんとすることで面倒臭くなって化学調味料を使うよりは、この方が美味しいと思うから良しとしている。

「地味めし」は、子供の味覚を引きずっていると、続かないかもしれない。野菜は、エグ味や苦味、独特の香を楽しむものが多いからだ。でも、子供の頃から慣れていないと、こうしたクセのある食べ物は、一生不味いもので終わってしまうのかもしれない。