本日の収穫への前振り

昼過ぎのひととき、朝・昼兼用の食事を食べ終わったところで。
「今日は、林哲夫さんの展覧会にでも行こうかな?それとも、かねたくさんのHPで知った太田浮世絵美術館で開催中の河鍋暁斎の展覧会とabc本店で始まったクラフト・エヴィング商会の展覧会をはしごしようかしら?」
と考えつつ、テレビのチャンネルをBSに切り替えて、面白そうな番組をさがしていた。

すると、BS日テレの「おとなのBSマガジン・夜のバカンス」をやっていたので、そこでリモコンをおいて、食器の片付けをしようと立ち上がった。
ところが、画面にどこかでお見かけした紳士が、映画の試写室かミニシアターっぽい椅子に腰掛けて、お話を始めようとされているところ。
なんと、川本三郎さんだった。
川本三郎 良い映画」というスーパーが出たので、川本さんのオススメとは、どんな映画なのだろう?と、片付けは後回しにして見ることにして、座りなおした。

川本さんのオススメは、チャン・イーモウ監督が1994年にカンヌ映画祭審査員グランプリと最優秀男優賞の2冠をとった「活きる」という作品だった。
一時、映画に足繁く通った時期があった。そのころ新宿のシネマカリテ(先日新宿に行ったときにみたら、劇場の名前が変わっていて、驚いた)で中国映画祭という中国映画の特集上映にも通った。そのときに見た作品は、プリントの状況がいいとは言えないものが多かったが、内容はどれも印象深かった。その中でも特に、チャン・イーモウ監督の「紅いコーリャン」「菊豆」は、機会があればまた映画館で見てみたいと思っている作品だ。

チャン・イーモウ監督の作品というだけでも、だいぶ心が動いていたのだが、さらに、映画の紹介カットに出てきた”影絵”が、とても強烈なインパクトを持っていた。渋谷文化村のル・シネマで上映中だというスーパーを見て、これは見に行こう。川本さんの本をこのところ続けて入手している上に、映画を見たいなという気分が盛り上がっているところへ、チャン・イーモウ監督の作品で、主演があのコン・リー、そして魅力的な影絵。

休日の渋谷の雑踏を思うと、ともすれば出かける気持が萎えてしまうことが多いのだが、これだけ条件が揃ったのだから、というわけで、今日の午後の予定は、案外あっさりと決まった。