思い出が蘇り、懐かしい匂いのする小説(1)

堀江敏幸さんの<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02025867&volno=0000>『いつか王子駅で』</A>(新潮社)読了。

かねたくさんが、ご贔屓の作家・堀江敏幸さんの作品を初めて読んだ。
天才・ヤスケン先生も、堀江さんのことは買っておられるようで、以前から気になっている作家だ。

独特の味わいがあって、好きなタイプの小説だった。
本好きな方のようで、瀧井孝作徳田秋声といった、シブい作家の作品からの引用が鏤められている。
そして、<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&kywd=%C8%BE%BC%B7%CA%E1%CA%AA%C4%A2&ti=&ol=&au=&pb=&pby=&pbrg=2&isbn=&age=&idx=2&gu=&st=&srch=1&s1=za&dp=>『半七捕物帳』</A>まで登場する。
主人公が、『半七捕物帳』を読んだおかげで、鮫州の自動車教習所に当時付き合っていた彼女のお伴をするはめになったことを思いだし、うっかり乗ってしまったバスで鮫州の停留所で下りてしまう。そして、「かおり」という行き付けの居酒屋の女将さんに目撃される。
かねたくさんの「読前読後」を拝読した限りでは、堀江さんはフランス文学に造詣が深い方という認識しか持っていなかったので、『半七捕物帳』が登場した時には、驚いた。

そして、テンポイントという競争馬に関する話も、その後に登場する。
この馬については、寺山修司さんの作品で読んだことがあった。
競馬そのものは、馬券を買ったことこそないが、一時は、重賞レースくらいはテレビで観戦していた程度の知識なのだが、ハイセイコーオグリキャップといった、逆境を乗り越えた馬には、なんとなく肩入れしていた。

そんな、取り留めもない思い出が蘇ってきた。