「考える人」を求めて(1)

すっかり新潮社の新雑誌「考える人」が創刊されていたのを忘れていた。
さらに、値段も高いし、いわゆるお手軽雑誌でもないし、少しぐらい遅れても買えるだろうとタカを括っていた。
いざ、買おうといつもの書店に行ったら、ありそうな棚にも平台にも見当たらない。
「アレ?」と思いつつ、文庫や新刊の棚をざっと流して、最後に月刊の総合誌や文芸雑誌などがいつも挿されている棚も見たのだが、そこにもない。
ついでに、と思って「文学界」の目次をチェックすると、坪内師匠のお名前が・・・。
「こりゃ買わなくちゃ」と、レジに持っていってついでに「新潮社の新しい雑誌、ありますか?」と聞いてみたら、「売り切れちゃったんですよ。追加注文は出してあるんですけど、入ってくるかどうかはちょっとわからないですね。」と、いつも頑張っている店長さん。

そういえば、先日岩波新書でアンコール復刊された、小林恭二さんの『俳句という遊び』はないですか?と聞いたときも、「あー、うちでは取ってないですね。なんならお取り寄せしましょうか?」というやりとりをしたばかりだったので、多分店長もこちらのことは、覚えていたご様子。
その時は「岩波新書を1冊とかって、かえってお手間でしょうから、よそで探してみます」と言ったのだった。

お目当ての「考える人」がないので、もう一軒の書店を覗いてみたが、こちらも「売り切れです。すぐ入ってくると思いますけど・・・」とのこと。
店の規模は、いつもの書店の2倍半くらいあるのだが、こちらの品揃えはあまりわたしの好みではないので、普段はほとんど寄らない。
ただ、文庫の在庫はいつもの書店よりは多いので、急ぎで探している文庫がある場合、一応のぞいてはみるのだが。

夕立が来そうな雲行きだったので、早く帰らねばと思いつつ、もう一軒。ここはチェーン店で、売り場面積も広いので、さすがにあるだろうと思って寄ってみた。ところが、ここにも見当たらない。
アルバイトのあんまり慣れてなさそうな子しか見当たらなかったので、敢えて確認はしなかった。
なんたって、まだリブロとABCがある!