坪内師匠の新刊+真珠夫人ゲット(1)

夕方、いつもの書店でやっと坪内師匠の『後ろ向きで前へ進む』(晶文社)をゲット。
いつものことながら、一見シンプルなようだが、よく見ると凝った装丁の本。デザインは、菊地信義さん。
晶文社のHPに坪内師匠が寄稿した刊行の辞には<b>晶文社の本の装丁を菊地さんが手掛けるのは多分始めて</b>とある。

晶文社の本には、必ずその本を買ったひと向きの刊行物案内が入っていて、それも楽しみ。
今回は、お馴染みの本達に混じって、北上次郎さんの『ベストミステリー大全』や堀江敏幸さんの『本の音』、松田哲夫さんの『印刷に恋をして』、南伸坊さんの『ごはんつぶがついてます』といった、坪内師匠ゆかりの方々の本が並んでいる。

『後ろ向きで前へ進む』をゲットしたので、安心して文庫の棚もチェックすると、平台に菊池寛の『真珠夫人』(文春文庫)があったので、こちらも購入。
これは、北村薫さんの『六の宮の姫君』(創元推理文庫)の中で、主人公の「私」が「テレビドラマにしたらいいのに」と言った作品で、機会があったら読んでみたいと思っていた作品。ちなみに、この4月〜6月に、東海テレビ発の昼メロの原作になっていて、びっくりしたばかり。しかも、結構人気があったらしく、朝のワイドショーなどでも取り上げられていた。そのお陰で、この本を探している人が結構いたらしく、めでたく文庫で復刊されたわけだ。しかも、解説は川端康成
そういえば、文庫で『真珠夫人』が刊行されると、どこかで読んだ記憶が蘇ってきた。
装丁もいかにもの、レトロな女性の肖像画で、タイトルにも大正ロマンっぽいフォントが使われている。
しかし、ドラマの放送が終わってしまった今、どの程度売れるものなのか、ひと事ながら心配になる。
そういえば、新潮社のオンデマンド出版で、『真珠夫人』が買えたのだが、お値段が非常に高かったので、諦めたことを思い出して、「なぜ文春文庫なんだろう?」と、ちょっと不思議だが「菊池寛といえば文藝春秋なんだから、当然か」と、思い直す。
今月の文春文庫には、先日芥川賞を受賞されたばかりの吉田修一さんの『最後の息子』(文学界新人賞受賞作だそうだ)もあるが、これは保留。