岡本太郎記念館へ(2)

窓際のスツールに座って、しばし作品を眺め、庭を眺めた。こちらの部屋は、1点を除いてリトグラフが展示されている。なかなか居心地のいい空間だ。
階下へ降りて、応接室とアトリエを見に行く。
岡本さんがデザインしたコーヒーポットやカップ&ソーサー、灰皿、椅子、ポスターなどが生前とおなじように配置されているという。
カラフルなゴムテープ(実際はもっとお洒落な感じだが、ほかに説明のしようがない。ゴムひもを太くした感じの素材)が、座面と背もたれに渡された椅子が可愛くて、気を取られていて、ふと目を上げると、部屋の奥に岡本さんが立っていた! と思ったら、等身大で顔を似せて作った人形だったのだが。そんなに大きな方ではなさそうだとは思っていたが、実際、その人形を間近で見ると、身長160cmないくらいなので、こんな小さな体のどこから、あのエネルギーが湧いてくるのか、不思議だ。

奥のアトリエにも、違う衣装を着せられた等身大人形が立っている。
イーゼルには、油彩と思われる作品が置かれていて、その奥の壁に作り付けられた棚には、カンバスがたくさん収納されている。
ショップでは、岡本さんの著書、関連書籍、グッズなどが販売されている。
写真集が欲しかったのだが、昨日、ちょっと本を買い過ぎてしまったので、

岡本太郎『沖縄文化論-忘れられた日本』(中公文庫)
のみ購入。
そもそも、沖縄の写真を見て、ここを訪ねてみようと思ったので、その興味に一番近い、ご本人の著作を、ということで。
写真集は、次回のお楽しみにとっておくことに。

カフェがすいていたら、ひと休みしようかとも思ったのだが、あいにく満席だったので、今日は見送り。
こちらも、次回のお楽しみにとっておく。

2階の展示室や入り口のカフェ、庭のオブジェのおかげで、未だに命が通う空間になっている。これがもし、アトリエと応接間だけだったら、違う印象になっていたかもしれない。
美術館にはない、こぢんまりとしたアットホームな感じがいい。