岡本太郎記念館へ(1)

買い物がてら、岡本太郎記念館へ。
今朝、NHKの「新・日曜美術館」で、”岡本太郎 日本を撮る”という特集を見て(再放送だったらしい)、思い立った。

岡本太郎さんといえば、万博の「太陽の塔」に代表される抽象画やオブジェ、「芸術は爆発だ!」というコメントくらいしか思い付かなかったのだけれど、写真がすばらしい。
そもそも、縄文と出会ったことが日本再発見、そして写真を撮ることにつながっていったのだそうだ。
特に、沖縄・久高島のノロのおばあさん、ウタキを撮影したカットが印象的だ。

岡本太郎記念館は、もともと岡本さんのアトリエだった建物を一般公開している。1階通りに面したところにはこじんまりとしたカフェがあって、その奥が記念館の入り口になっている。
入り口に向かって右手の庭には、一目で岡本さんとわかるオブジェや椅子が置かれている。
建物に入ると、そこは吹き抜けになっていて、左手のショップで入場料を払う(大人600円)。
左手の階段をあがると展示室、右手は応接間とアトリエになっている。

まずは、「子供の時間」展という企画展を見るため、2階の展示室へ。
階段を上りきると、板の間になっていて、中央にかわいい表情の縄文土偶を思わせる彫刻が置かれており、壁には油彩画がかかっている。
沖縄旅行の後、岡本さんのスタイルは決定的に抽象へ向かったと、研究者の方が語っていたが、今回展示されているのは、沖縄後の作品なので、われわれが知っている「This is 岡本太郎」という作風のもの。
壁際にもう1点彫刻が置かれていて、観葉植物のようなものが植わっている。
ここで、驚いたのが、若い女性が多いということ、彼女たちの半数近くはカメラ持参で、作品と一緒に、あるいは作品そのものを写真に収めていること。日本の美術館は、写真禁止というところがほとんどなので、フラッシュ撮影が認められていることに、驚いた。

細いキャットウォークを渡ると、もう一つ展示室がある。
窓辺にスツールが置かれていて、ひと休みしながら作品を眺めたり、庭を眺めたりできるようになっている。
窓際に並べられたスツールと直角の壁の前には、岡本さんの作品と思しきダイニングチェアーもさりげなく展示されている。
紫のテキスタイルが張られた、丸っこいデザインのかわいらしくて座り心地も良さそうな椅子で、思わず座ってみたくなるが、実行に移す勇気はなかった。