トップ屋と「草加次郎事件」

家に着いて5分後に、雷が鳴り始め、激しい雨も断続的に降り出した。まさに、間一髪とはこのことだ。そういえば、今朝の天気予報で、関東地方の一部では夜半に雨が降るところがあると、云っていたような気がする。

昨日買って来た、桐野夏生さんの『水の眠り 灰の夢』(文春文庫)を読み始めたら、これが非常に面白い。桐野さんの村野ミロシリーズは、発売当時に2作読んだのだが、それほど好みに合わず、それ以来『柔らかな頬』を読んだくらいで、あまり注目していなかった。
しかし、『柔らかな頬』が面白かったのと、福田和也さんの『作家の値うち』で、桐野さんの評価が高かったので、『ファイアボール・ブルース』を先日読み、これがまた、非常に面白く読めたので、今回『水の眠り 灰の夢』に取りかかった。

トップ屋・村野が「草加次郎」事件を追いかけるうちに、もう一つ政財界の黒幕が関わる事件にも巻き込まれるというストーリーらしい。らしい、というのは、まだ途中までしか読んでいないからなのだが。そして、福田さんのこの作品に対するコメントを読むと、どうやらこのトップ屋・村野が、ミロの父親だという。
草加次郎事件については、名前は知っていたが内容はあまりよく知らなかったので、どこまでが実際の事件で起きたことなのか、判断ができないので、いずれ調べてみたいとも思う。
それにしても、もしかしてミロ・シリーズも読み直してみるべきかもしれない、と思わせる、傑作のようだ。この先、どんな展開が待っているのか、非常に楽しみだ。