最近、雑誌を立ち読みで済ませる理由

山本夏彦さんが亡くなった、ということを今朝、さとなおさんのサイトで知った。
最近の”通勤の友”が、山本さんの『世間知らずの高枕』(新潮文庫)なので、ちょっと驚いた。

「室内」という雑誌は、これまで御縁がなくて、あまり注意して書店で探したりしていなかったので、どんな内容なのかよく知らない。しかし、今朝、ちょうど読んだ「職人不足はだれのせい?」というコラムが「室内」に掲載された論文のことを題材にしたもので、それを読んでいると、ちょっと面白そうだと、興味が湧いてくる。
建築については、ほとんど何の知識も持ち合わせていないので、専門誌だろうと、これまで敬遠して来たのだが、編集長である山本さんご自身が書かれるコラムや、「職人不足はだれのせい?」の論旨を読んでみると、あながち専門家のために専門用語だらけで書かれた論文ばかりが載っている雑誌というわけでもなさそうだからだ。
しかし、山本さん亡きあと、「室内」はどうなってしまうのだろうか?
これだけ個性の強い編集長の手によって、長年続いて来た雑誌であるということを鑑みると、わたしはこの雑誌に興味を持つには遅すぎたということだろうか?

最近、書店に並ぶ大手出版社の雑誌に、もうひとつ魅力を感じなくなっている。やはり今朝読んだ「出すぎやしないか本と雑誌」を読んでいると、「やはり、そうだったのか」と思わざるを得ない。
最近、毎号欠かさず購入する雑誌は、「本の雑誌」「recoreco」「考える人」と、定期購読している「彷書月刊」くらいだ。いずれも、レギュラー執筆陣が好きな書き手だからだ。申し訳ないが、坪内さんの「文庫本を狙え!」をはじめとする多くの雑誌連載や、文壇アウトローズの対談「これでいいのだ!」などは、ほとんど立ち読みで済ませている。最近は、単行本にまとまるのを待って、じっくり読めばいいと、割り切るようになった。他にもじっくり読みたいと思える記事がいくつか載っていれば買うが、そうでないものまで買っていると、狭い部屋が大変なことになってしまう。なにしろ、本はもちろん雑誌でさえ、なかなか処分できない質なのだから。