上手な本の処分法(1)

今日も快晴。昼間は暖かかったが、日が暮れると気温が下がって寒く、薄着で出かけたのは、ちょっと失敗だった。

先日手に入れた、講談社の文庫サイズの雑誌「IN POCKET」1998年12月号の特集「本と闘う人々」に、本を処分する時の心得があった。
この特集は、逢坂剛さん、関口苑生さん、出久根達郎さんの鼎談と、関口さんの引っ越し前後の仕事場の模様のリポートから構成されている。後者は、『書斎曼陀羅』としてまとめられたものの連載Vol.0で、磯田和一さんのイラストで、リポートされている。

関口さんは、引っ越しを機に<b>目をつぶって</b>5千冊もの蔵書を処分されたそう。そのうち、最初に処分した約3千冊は、まとめて一気に古本屋さんに売ったため、4万円にしかならなかったのに、その後、出版社から送られて来た文庫・新書を600冊くらい処分したら、これが15万円。さらに、写真集その他を1500冊ほど処分したら、これが7万円。最初の3千冊はなんだったんだ!と憤っておられる。
しかし、出久根さんに言わせると、まとめて大量に処分すると、古本屋さんとしても手間がかかるので、十把ひとからげにならざるを得ないのだそう。関口さんが買い取りを依頼したのは、ささま書店という「良心的」なお店だったそうだが、それでもそうなってしまう、というのが現実のようだ。

出久根さんが挙げる、本の処分の仕方は、
<b>一、雑本は売るな
二、自分が目を通したもの、読んだ本はできるだけ売らない
三、いっぺんに処分せず、小出しにする(一度に500冊程度)。また、ある程度値段をつけて欲しい本は、別にしておく</b>
という三点、
一は、そういう本ほど、後で見つけるのが大変だから。場合によっては国会図書館にすらないことがあるという。
二は、読んでいない本なら、後から引用したりする必要は生まれないが、読んだ本だと「あの本のあそこに、あんなことが書いてあったよな」と思い出すから。
三は、関口さんの例を見てもわかるように、古本屋さんが、本の内容をいちいちチェックしていられないから、数による単純計算になってしまうため、安くなってしまうということ。
いずれも、文筆を仕事にされている方だからこそ、という部分はあるので、ただちに参考にはならないが、確かに、おっしゃる通りである。