素敵なプレゼント

昨日までに比べると穏やかで暖かな一日。それでもやはり寒い。
午後から買い物。無印良品でセールのセーターなど買ったのち、原宿BOOK OFFへ。

久しぶりなので、ついつい、いろいろ棚から抜いてしまう。
その中で一番の収穫は、橘蓮二さんというフリーの写真家が、寄席の楽屋を中心に撮りためた写真集『おあとがよろしいようで』(ちくま文庫)。
小朝さんの写真で始まり、志ん朝師匠や小さん師匠といった鬼籍に入られた方、わたしなどはお名前しか存じ上げない師匠がた、さらには若き日の昇太さん、そしていわゆる色物の皆さんなどなど、寄席に出演されるあらゆる方々の写真がいっぱいなのだ。

この写真集の素敵なところは、監修の高田文夫さんが前書きで紹介されている、橘さんが「カメラをさげた前座さん」と呼ばれていたという逸話からもわかるように、とにかく寄席の楽屋に通いつめて、ヒト癖もフタ癖もある師匠たちの”素顔”を撮影しているということだろう。
志ん朝師匠や小朝さんの写真などは、楽屋の中にいることさえ意識されなくなってはじめて、撮ることが可能になったのではないだろうか。
出番前の緊張の一瞬、ふと考え事をしている表情、そうした”素顔”が見事に切り取られている、
写真はすべてモノクロ。掲載順は、高田さんがかなりアドバイスされているようで、普段の寄席ではぜったいにあり得ない、各団体の皆さん入り混じって、でもきっと落語ファンの方なら、こんな番組が見聞きできたら嬉しいと思うのだろう、と想像できるものになっている。

こんな素敵な写真集があったことをまったく知らなかったので、すごーく素敵なプレゼントをもらったような、楽しい気分になった。