二つの”黄金時代”

快晴。寒さもちょっと緩んでいるような気がする。
昼前、深作欣二監督の訃報を知る。
深作さんの作品を最初に見たのは、「華の乱」だったと思う。監督というよりは、吉永小百合さん主演の文芸作品ということで、母につきあって見た。
作監督の作品ということで見た最初の作品は「いつかギラギラする日」だったと思う。原田芳雄さんが出演されたこともあったのだが、「日本の映画でこんなにパトカーをぶちこわして、銃を撃ちまくる映画はない。とにかく面白いから」と、友人に勧められて見たことを思い出す。
その後、同じ友人に勧められて「仁義なき戦い」シリーズをビデオで見て、そのパワーに圧倒された。
日本映画の黄金時代を支えた監督が、これでほとんど世を去ったということになるのだろうか?

そういえば、小林信彦さんの『テレビの黄金時代』(文藝春秋)<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3c0d8e6d55ab70105cad?aid=p-mittei16105&bibid=02230112&volno=0000>[bk1]</A><A HREF=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416359020X/qid=1044427689/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-6280686-2859416>[Amazon]</A>を読んだ。
「見ていないことは書かない」という小林さんのモットーはここでも貫かれていて、小林さんが実際に見た番組、かかわった番組のことが中心。
わたし自身は、伝説として知っている番組、芸人さん、タレントさんが多いので、歌舞伎好きの年配の方から「六代目はね」とか「成駒屋はね」などというお話を伺うのと、ある種同じような感じだ。
この中で印象的なのが、日本テレビの名物プロデューサー・井原高忠さんと、坂本九さん。井原さんが手掛けられた番組も、いくつかはその最後に間に合っている。坂本九さんも、この本を読んでみると、全盛期は知らないようだ。

テレビといのは、ある意味、時代を映す鏡であると思っているのだが、今日、当時の傑作といわれる番組の”よくできた回”のVTRが残っていて見たとして、その時代の空気を知らない者にとって、その番組のすごさがわかるだろうか? そう考えると、ここに出てくる番組は、伝説として語られることで、その命を長らえるのかもしれないと思う。中には、それでも「すごい」と感じる番組もあるのかもしれないが。