落語を聞いても積ん読虫がうずく(3)

芸術祭優秀賞を受賞された初音家左橋さんの「魚権助」(と次に登場した歌武蔵さんが紹介してくれた)。なまった手代の権助と江戸っ子らしきお店の主夫婦との対比が面白い。
続いて、歌武蔵さん。出てくる姿は、十両力士かなりたての親方か、というぐらい立派な体格の持ち主。ご本人もそれを開口一番「えー、ただいまの協議についてご説明いたします」とすかさず笑いをとる。演目は「猫の皿」。
そして、先日の鈴本では拝見できなかった正楽さんの紙切りミッキーマウスやタマちゃんといったものから、藤娘まで、生で見てもその鋏さばきの冴えはすばらしい。
扇好さんは、間男の噺。
そして、トリの花緑さんが登場する。学校寄席での体験談を面白おかしく語る枕の後、一瞬の沈黙。自分から「いま、間があきましたでしょ? 実は、これからやる噺と、ここまでの話がまったく関係なくなっちゃったんで、どうしようかと思ったんですよ」と告白?して、かえってお客の歓心を呼ぶ。
噺は、圓生から小さんへと受け継がれたというもの。
友だちを呼びつけて、いい酒を五合だけもらったから一緒に飲もうと言ったわりに、自分ばかりが呑んでしまって、最後の一合が熱くなり過ぎたと怒ってその友だちを追い返してしまうという内容。
今日も最初から最後まで、よく笑った。

帰宅して、扇好さんと花緑さんの噺の題を探してみたのだが、手もとの乏しい資料からは見つからなかった。
もう少し、落語関連の本を集めてみようと、またまた積ん読の虫がうずき出した。