”祇園書房”は、頼りになる隣りの奥さん(1)

三月書房を偶然発見した初日は、この後、もう1軒、本屋に行くことになっていた。友人が店長をしている”祇園書房”だ。
その名の通り、祇園にある街の本屋さんということは知っていたが、訪ねるのは初めて。HPも開設していて、場所柄、料理関連や京都に関する本を積極的に扱っていることは知っていた。以前から、行ってみたいと思っていた本屋さんのひとつだ。
場所は、「忠臣蔵」でお馴染みの”一力”のそばで、四条通に面している商店街の中だ。

閉店後に食事に行くことになっていて、それまでには時間が早いので、京阪三条の駅から、祇園の北側をぶらぶらと歩いて行く。昔ながらの古い建物が集まった一角もあれば、意外なことに現代的なビルが混じる通りもある。
かなりゆっくりと路地から路地へと歩いたつもりだったが、それでもまだ早すぎるので、四条通を渡って、南側へ。”一力”の前では思わず写真を撮ってしまった。そこからさらに南へ下って行く。この通りは、さすがに古い建物ばかりだ。しばらく行くと、歌舞練場の前に出る。そういえば、街のあちこちで南座の歌舞伎公演と並んで「都踊り」の提灯やポスターが眼に付く。もうすぐ「都踊り」の季節なのだ。

一旦、四条大橋を渡って、河原町ドトールでひと休み。そして約束の時間には早いのだが、”祇園書房”の棚もじっくり見てみたかったので、お店に向かう。
通りに面して、間口の2/3ほどはガラス張りになっている。外から覗いてみたが、友人はレジにはいない。まあ、そのうち店先に出てくるだろうと思い、中へ入って、入り口近くの”京都本”を集めた平台を、端の方から見て行く。今は亡き京都書院のアーツコレクションやカラーグラビアメインのビジュアル本などが眼に付く。東京ではなかなかお目にかかれない本も多い。