文化史家としての坪内祐三と『一九七二』(1)

今日も朝からいい天気。いつもと変わらない時間に一度は目覚めたものの、祝日だということを思い出し、ベッドで坪内祐三さんの<b>『一九七二』</b>を読んでいるうちに、二度寝していた。

その<b><a href=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163596801/qid%3D1051766066/250-6280686-2859416>『一九七二』</a></b>(文藝春秋)読了。
坪内さんほど、1972年には物心が付いていなかったわたしにとって、鮮明に憶えていたのは、あさま山荘事件のテレビ生中継、田中角栄の総理就任、ミュンヘン五輪といった出来事くらいしかない。それでも、今になってみると「あー、そんなことがあったけど、それって1972年のことだったんだ」と思い出したこともあったし、後年になって知ったことが意識していなかったけれど、1972年に発していたことだったんだ、と認識したこともあった。

「あー、それって1972年に始まったんだ」と思ったのが、テレビドラマ「太陽にほえろ」と「木枯し紋次郎」だ。「太陽にほえろ」は、わたしの警察モノドラマ好きの原点だし、「木枯し紋次郎」は、アウトローへの憧れやNHK大河ドラマや「銭形平次」とは違う、異端時代劇の面白さに目覚めた作品だ。もっとも、「木枯し紋次郎」を第1回から見ていたかどうかの記憶は定かではないのだが。
かたや正義の権化のような刑事ドラマと、世の中からはみ出した男が主人公の時代劇、この2つが奇しくも同じ年にスタートしていたということを、坪内さんによって教えられた。

連合赤軍の一連の事件のことは、後年、ものごころがついてから、いくつかの活字媒体やテレビ番組、当時を舞台にした小説などで、断片的に知った。しかし、今回『一九七二』を読んで、もう少し体系的に知りたいな、と思うようになった。