一気買いは似合わない、暮しの手帖の本たち(2)

水曜日に、東京ランダムウォークで、前々からずーっと気になっていた、唐澤平吉さんの<b>『花森安治の編集室』</b>(晶文社)を買った(『一銭五厘の旗』もたしか並んでいたはずだが、お財布の中身が寂しかったので、我慢した)。

それで、弾みがついたのか、木曜日には、それが目的で訪れたわけでもなかった、青山ブックセンター本店で、<b>「美しい暮しの手帖 保存版」300号記念特別号</b>と、<b>『エプロンメモ』</b>も購入してしまった。その前に訪れた時は、『一銭五厘の旗』しか目に付かなかったのだが、どうやらミニフェアをやっているようだ。
そばにはもちろん『一銭五厘の旗』もあったし、『すてきなあなたに』の1から3も並べて平積みしてあったが、これらは今後の楽しみに取っておくことにした。
暮しの手帖社の、これらの本がそう簡単に絶版になってしまうことはないだろうということが、ここ半年ほど観察を続けてきて、わかったからだ。

もちろん、次から次へと新しい本や雑誌が日々、本屋さんの店頭に押し寄せている昨今、どこでも手に入るというわけにはいかない。それでも、「暮しの手帖」が好きな本屋さんは、きっとある。そこには、たとえあまり目立たない場所であろうとも、暮しの手帖の本は、大事に並べられているはずだからだ。
わたし自身が、半年をかけて見つめて来た暮しの手帖の本たちのたたずまいから、買い占めもどきの一気買いは似合わないということを、さりげなく教えられたからでもある。

帰宅して、「美しい暮しの手帖 保存版」の最初の方を読んでみた。花森安治が描いた雑誌の表紙、年賀状など、そのなつかしいような、それでいて古びていないセンスに見とれてしまった。